江戸甘味噌使用の「みそピー」50 年以上のロングセラー

香ばしいピーナッツとやさしい甘さの江戸甘味噌が絡み合う「みそピー」は、ごはんやお弁当のおかず、お茶うけ、お酒のおつまみ、お子様のおやつにと楽しみ方はさまざま。発売以来50 年以上もの間、人々に愛され続けているロングセラー商品だ。

1917 年創業、日出味噌醸造元の「みそピー」(ピーナッツ味噌)は、東京都地域特産品認証食品指定の東京を代表するおやつ。会長である河村守泰さんは御年93 歳、味噌業界歴70 年の今も、毎日出社し、社員を見守り続けている。

味噌屋を営む父・河村五郎さん(創業者)の傍で子どもの頃から味噌に触れ合ってきた守泰さんは、広島高等工業学校(現広島大学)の醸造学科に進学。

時は、第二次世界大戦のさなか、招集礼状によって主計として中国に配属された守泰さん。日本兵の会計や給与を扱う主計は食事管理もしていたため、醸造学の知識と経験を活かし、日本から持ち込んだ種麹で味噌を仕込んだ。

終戦後は大阪大学工学部発酵工学科に復学、卒業。その後日出味噌醸造元に入社。研究職を経て31 歳で社長に就任。ピーナッツ味噌「みそピー」の発売に乗り出した。出来立てのみそピーの味は格別で、「これはイケる!」と確信した。

ピーナッツ味噌といえば、落花生の産地である千葉や茨城の郷土料理。だが「みそピー」に使用しているのは「江戸甘味噌」という、大豆の旨みと麹の甘みが見事に調和したツヤのある茶褐色の味噌。東海豆味噌の旨みと、関西白味噌の上品さを兼ね備えた味噌として、江戸っ子に愛されていた。

ところが戦時中は「贅沢品」と見なされ、生産禁止に。戦後再び味噌製造が自由化されたものの、その間の著しい食生活の変化によって人々から忘れ去られ、「幻の味噌」となった「江戸甘味噌」。

そして今、再び江戸甘味噌に注目が集まり、百貨店の催事やメディアに頻繁に登場するようになった。江戸甘味噌と共に「みそピー」の歴史は続く…

【株式会社日出味噌醸造元】
東京都港区海岸3-2-9
TEL/03-3451-9331

Miso Pea, a great harmony of savory peanuts and the sweet Edoama Miso, is aproduct from Hinode Miso that has been loved by many for over 50 years. It is great as a side dish or a snack with a drink such as tea or sake.

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