まさに医者代わり!味噌は万能薬だった

味噌は、古くから人々の生活を支えてきたものですが、調味料以外にも「薬」として活用されてきた歴史があります。「風邪にねぎ味噌」「黄疸にシジミの味噌汁」「タバコの吸いすぎに味噌汁」「二日酔いに味噌汁」など、言い伝えとして聞いたことがある方も多いと思います。

「味噌は体にイイ」を表したことわざが、多数存在するのがまさにその証明ですね!

また、味噌は塗り薬としても使われており、「やけどの特効薬」として活用されていました。味噌のヒンヤリとした感触や殺菌作用で、やけどを治すと信じられていたのでしょう。やけどは大抵しくじった時や、間違えた時に起こるため、「味噌をつける」(失敗するの意)の語源になったのです。

「かあさんのうた」に出てくる「かあさんのあかぎれ痛い、生味噌をすりこむ」という歌詞からわかるように、あかぎれにも使われていたことが読み取れます。そのほか民間療法として人々に愛用されてきた「お灸」にも味噌は使われていました。

味噌灸

江戸時代に書かれた食のバイブル、『本朝食鑑』には、さまざまな食品が掲載されています。味噌の項目には、血のめぐりを良くする、百薬の毒を排出する、気をおだやかにする、消化を助ける、食欲を引き出す、痛み・腫れ・かゆみを鎮める、傷を治す、腹痛や頭痛を抑える、産後の脳貧血予防、髭髪を黒くする、皮膚を潤すなど、まるで万能薬のように記されています。

モノが少なかった時代でも、知恵を絞り身近にあるモノを有効活用する…、先人の直感の鋭さと生きる熱意には、頭が下がります。

まさに、近年、味噌のもつさまざまな効能が、疫学的・動物実験で明らかになり始めていて、がんや高血圧などの生活習慣病、放射線、便秘などから体を守ってくれることがわかっています。広島大学・渡邊敦光名誉教授方の実験によると、長期熟成した味噌に、高い効能があることが実証されています。

さらに、味噌の中には、血圧を低下させる物質が数種類存在し、そのうちの一つに育毛成分として知られる「ミノキシジル」と同じ作用をする「トラゾリン様物質」が含まれているため、育毛効果も期待できるそうです!

味噌には、美肌を維持するために必要な良質の植物性たんぱく質とビタミン類が含まれているほか、味噌に含まれるサポニンやメラノイジンは、細胞の酸化を防ぎ、老化防止にも一役。味噌は万人の強い味方であり、「医者代わり」といえるでしょう。

プチ不調を味噌で改善

仕事も家事も全くできないほどではないけれど、なんだか体がだるくてスッキリしない…。そんな「プチ不調」に悩む人は意外に多い。「プチ不調」は、放っておくと、思わぬ病気につながることもあるので、注意が必要です。

そんな「プチ不調」は、食生活の見直しで、治る可能性が高い。味噌は、いうまでもなく、非の打ち所がない完全食で、ごはんと具だくさんの味噌汁で、基本的に必要な栄養素をカバーできるのです。さらに、調理が簡単、おいしい、リーズナブル、毎日食べても飽きない、洗い物もラク! 

現代では、即効性のある薬があるため、味噌を薬として使用することはなくなりましたが、病気になってからではなく、病気になる前の「未病」の特効薬といえます。

体調がすぐれないときは、味噌にかつお節やねぎを入れ、お湯を注いでいただく沖縄の郷土料理「かちゅー湯」がおすすめです。地元では、「栄養ドリンク」のような存在として親しまれています。味噌そのものの風味をシンプルに味わいたいときは、「味噌湯」(味噌をお湯で溶いたもの)をどうぞ。

毎日の味噌汁が、免疫力や自然治癒力を高めるだけでなく、頭の回転を速くしたり、集中力を高めたり、日々の生活を応援してくれるでしょう。味噌汁で快適な毎日を!
 

参考:『みそ文化誌』(発行/全国味噌工業協同組合連合会・中央味噌研究所、編集/みそ健康づくり委員会) 、「本朝食鑑1」(発行/平凡社、著者/人見必大、訳注/島田勇雄)

株式会社ミソド代表取締役、一般社団法人みそまる普及委員会理事、月刊「ジャパン味噌プレス」編集長、みそソムリエ。アパレル販売員、読者モデルを経て、2011年「ミソガール」として味噌の普及活動を開始。みそまる考案。ミラノ万博や伊勢志摩サミット等イベントやメディア出演を通し、味噌の魅力を伝えている(2019年MISODOに改名)。『みそまる』(宝島社)、『手軽に作れて、キレイに効く! みそまる』(主婦と生活社)等著書多数。※サイトに掲載している記事は取材当時の情報のため、現在と内容が変わっている可能性がございます。