肥満は万病の元 みそのコレステロール低下作用

健康づくりにおいて、「肥満予防」は重要な位置づけを持ちます。肥満度の判定にはBMIが用いられますが、同じBMIでもどこに脂肪がついているかで健康への危険性は大きく異なります。

肥満のタイプは「内臓脂肪型肥満」と「皮下脂肪型肥満」に分けられ、前者のほうが、糖尿病や高血圧などをはじめとした生活習慣病を発症するリスクが高いことがわかっています。

見た目はスッキリしていても、内臓の周囲に脂肪がたくさんついていれば「内蔵脂肪型肥満」。「内蔵脂肪型肥満」に加え、「脂質異常・高血圧・高血糖」のうち、ある一定の基準を満たすものが2つ以上あると、いわゆる「メタボリックシンドローム」と診断されます。

この状態を改善するには、LDLコレステロ-ル(悪玉コレステロール)を減らすことが重要ですが、大豆タンパクには、血中の総コレステロール値やLDLコレステロ-ル、中性脂肪(トリグリセリド)値を下げる働きがあることが知られています。

閉経後の女性が大豆タンパクを30g摂取したら、総コレステロールに加え、血中の中性脂肪も低下したという報告もあります。そのほか、大豆に含まれる有効成分のうち、リノール酸と大豆レシチン、サポニンなどにも、コレステロール値の低下作用があります。こうした作用は、みそに加工されていても有効です。

高コレステロールと胆汁酸を摂取させたラットに「脱塩みそエサ」と「普通エサ」を与え、血中のコレステロール値を調べた実験がありますが、「脱塩みそエサ」は、血中のコレステロール値が半分程度に下がったという結果が出ています。

また、みそに含まれる「メラノイジン」を摂取したラットは便秘を起こしにくいという実験結果もあります。排泄がスムーズになれば、コレステロールも体内に溜まりにくくなるというわけです。メラノイジンは、熟成期間が長いみそほど多く含まれています。

食生活の欧米化や運動不足から、肥満の人が急激に増えていますが、肥満予防には、食生活の見直しが重要です。コレステロ-ルの低下が期待できる、みそを上手に取り入れるといいでしょう。

1940年福岡県生まれ。熊本大学理学部卒、九州大学大学院博士課程理学研究科修了。理学博士、医学博士。広島大学原爆放射能医学研究所助手を経て、1996年教授に。欧米で放射線生物学の研究を重ね、2004年に退官後も客員教授として研究を続行。『味噌力』(かんき出版)、『味噌大全』(東京堂出版) 等、著書多数。全国各地で講演会を行うほか、テレビや雑誌等のメディア出演など、多方面で活躍中。