妊娠中から始まる子育て 味噌汁で子どもの睡眠不足解消!?

人は毎日決まった時間に起床・就寝するなど、ある一定のリズムで生活をしていて「概日リズム」(体内時計のこと)と呼ばれています。「概日リズム」は、光を浴びる時間帯や食事などの影響を受けて、乱れることが知られています。幼少期の睡眠は、体の発達に大きく影響を与えるので、とても重要です。

近年、発酵食品の摂取が腸内環境を整え、健康維持に役立つということは広く知られていますが、母親の腸内細菌は子どもにも受け継がれます。富山大学の研究グループの発表によると、妊娠中の味噌汁の摂取量が、子どもの睡眠時間に関連するという興味深い報告があります。72,624組の母子を対象にした調査によると、妊娠中の味噌汁摂取量が多い群では、1歳時点の不眠の頻度が少なかったそうです。

この論文では、味噌汁の成分や腸内細菌が睡眠時間に影響したということを直接調べたわけではないため、味噌汁以外の要因が関与している可能性も考えられます。また、味噌には、メラトニン(睡眠ホルモン)の原料であるトリプトファンが多く含まれていることも関係しているかもしれません。子どもだけでなく大人も味噌を食べると睡眠が誘発されるのかなど、大変興味があります。今後の研究が楽しみです。

1940年福岡県生まれ。熊本大学理学部卒、九州大学大学院博士課程理学研究科修了。理学博士、医学博士。広島大学原爆放射能医学研究所助手を経て、1996年教授に。欧米で放射線生物学の研究を重ね、2004年に退官後も客員教授として研究を続行。『味噌力』(かんき出版)、『味噌大全』(東京堂出版) 等、著書多数。全国各地で講演会を行うほか、テレビや雑誌等のメディア出演など、多方面で活躍中。