大分県湯布院・湯平温泉にある「旅館山城屋」で長く愛されてきた田楽味噌が、より使いやすいチューブタイプ「黒でんがく味噌」として生まれ変わり、観光客はもちろん、海外の方にも手に取りやすい商品で、宿泊者は必ずと言っていいほど購入されるなどの人気商品です。
大女将が50年作り続けたレシピを伝承

旅館山城屋の夕食の定番メニュー「茄子の味噌田楽」にも使われている田楽味噌。甘めで濃厚な味で、宿泊客にも大人気。砂糖・みりん・酒・味噌を煮詰め、コクと甘みを丁寧に引き出した味わい深いおかず味噌です。
大女将は一昨年、83歳で台所での仕事中に倒れて亡くなられてしまったそうなのですが、亡くなられる前にレシピは忠実に受け継がれ商品化されました。
より甘く、濃く、使いやすく進化

今回のリニューアルの大きな特徴は、従来の瓶からチューブ型パッケージへと変更されたこと。海外向け輸出では瓶が破損しやすく、取り扱いも難しいため、軽量で安全性の高いチューブが選ばれました。これにより賞味期限も長くなり、旅先でも気軽に使いやすくなっています。
さらに、味わいはこれまでより甘みとコクが増し、料理に添えた際に素材としっかり調和する仕上がりになりました。内容量も倍になったことで、家庭での使用頻度にも応える容量となっています。11月には上海国際展示場での物産展にも出品するなど、今後の海外販路拡大にも期待が高まっています。
日々のおかずからデザートまで

「黒でんがく味噌」は、だしで炊いたおでんに添えるとその深いコクが素材の旨みを引き立て、焼き豆腐や蒸し野菜と合わせても美味しくいただけます。定番の田楽料理にはもちろん、味のアクセントとして日常のさまざまな料理に使いやすいのが魅力です。
さらにユニークなのは、バニラアイスに合わせる楽しみ方です。甘じょっぱい味わいが絶妙で、一度試していただきたいおすすめの食べ方です。家庭料理にもスイーツにも応用できる万能さが、「黒でんがく味噌」のもう一つの強みとなっています。
映画のロケ地としても知られる湯布院・湯平温泉

山城屋は「男はつらいよ」第30作(1982年)のロケ地として知られ、館内には寅さんにまつわるコレクションを展示した“寅さんの部屋”があります。館主が長年集めてきた資料や書籍を公開しており、ミニ資料館のように作品の世界を楽しめる空間です。さらに、特別篇を含む全50作のポスターも館内各所に掲示されており、ファンにはたまらない見どころになっています。
「味噌は日本人ならではの伝統的な味。これからもバリエーションの一つとして『黒でんがく味噌』を楽しんでほしい」と館主の二宮謙児さん。
「黒でんがく味噌」は、旅館の売店をはじめ、道の駅「由布市庄内特産品販売所 かぐらちゃや」、ECサイトで購入可能です。
【旅館山城屋】
TEL/0977-86-2462
文/秋山昭代
