みそ汁で取り入れる新習慣『体と心をいたわる薬膳みそ汁』

料理家・石澤清美さんによる新刊『体と心をいたわる薬膳みそ汁』は、薬膳の考え方を身近に引き寄せ、「無理なく続けられる形」としてみそ汁に落とし込んだ一冊。特別なことをしなくても、“日々の食事で体調を整える”そんな現代的なセルフケアのヒントが詰まっています。

中医学の学びから生まれた“日常の養生”

石澤さんが薬膳に関心を持った背景には、「家族で同じように生活していても、体調に差が出るのはなぜか」という素朴な疑問がありました。

その答えを求めて中医学を学び、北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で専門的な知識を習得。健康や体調管理についての理解を深めながら、料理家としての経験と融合させてきました。

現在は、自宅での料理教室をはじめ、日常に取り入れやすい薬膳の提案を続けています。

身近な食材でできる、やさしい薬膳みそ汁

みそ汁は日常の食卓に自然に組み込めるため、無理なく続けられ、飽きにくいのが特徴です。さらに味噌は、日本人の味覚に深く根付いた発酵調味料。うま味や栄養を兼ね備えた存在として、薬膳の考え方とも相性のよい食材といえるでしょう。

本書の魅力は、特別な材料に頼らないこと。スーパーで手に入る食材を使い、誰でもすぐに実践できるレシピが揃っています。

たとえば「豚レバーとにらのみそ汁」は、元気が出ないときにおすすめの一杯。石澤さんもお気に入りで、よく自宅でも作るそうです。中華料理ではなじみのある食材も、みそ汁にすることでぐっと取り入れやすくなります。

一方で、具だくさんの豚汁や、しじみのようなシンプルなみそ汁も大切にされているのが本書の特徴。魚の缶詰を使ってだし代わりにするなど、忙しい日でも無理なく続けられる工夫が随所に見られます。

7つの効能で整える、体の小さな不調

本書の大きな特徴の一つが、「効能別」にレシピを紹介している点です。
冷え、疲れ、胃腸の不調、巡りの悪さなど、日々感じやすい“ちょっとした不調”に寄り添う形で、味噌汁のレシピが提案されています。

体調に合わせて選べる構成になっているため、「今日はなんとなくだるい」「少し疲れがたまっている」といった感覚にも応えやすく、その日の自分に合った一杯を無理なく取り入れることができます。

薬膳というと構えてしまいがちですが、本書ではあくまで“日々の延長線上”。特別なことをするのではなく、みそ汁を通して体の声に目を向ける、そんなやさしい習慣づくりが意識されています。

『体と心をいたわる 薬膳みそ汁』

著者/石澤清美、発行/株式会社Gakken、定価/1,760円(税込)

【石澤清美さんプロフィール】
国際中医師、国際中医薬膳師、国際薬膳茶師、ハーバルセラピスト、韓方ティーセラピスト。料理研究家。食べ物と体の関係についての勉強を長年続け、日々の家庭料理をはじめ、お菓子やパン、保存食など、豊富な食養生の知識を生かした体にやさしいレシピを雑誌・書籍などで紹介。著書に『60歳からの「老けない人」の漢方ごはん』『米粉の万能生地 のばして包んで、焼いて揚げて蒸して!』(ともにGakken)など多数。6月にはみんなが好きなカレーをテーマに『体と心を健やかに 薬膳カレー』を発売予定。

文/秋山昭代

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