株式会社MISOVATIONは、「味噌汁で世界の予防医療にイノベーションを起こす」をビジョンに掲げ、栄養学の観点から味噌汁の価値を提唱するフードテックカンパニーです。日本各地の味噌を使用し、現代人が1食に必要な31種類の栄養素をバランスよく摂取できる味噌汁「MISOVATION」を開発。代表取締役の斉藤悠斗さんにお話を伺いました。
聞き手/秋山昭代
【斉藤悠斗さんプロフィール】
1994年生まれ、宮崎県出身。栄養士。東京農業大学卒業後、カゴメ株式会社・株式会社リクルートキャリアの営業職を経て、2021年に株式会社MISOVATIONを設立。
会社設立の経緯を教えてください。
もともと食に関心があったことと、重度の認知症であった祖父の介護経験から栄養学に興味を持ち、東京農業大学へ進学。在学中に栄養士の資格を取得し、研究室では「うま味」の研究をしていました。しかし、その後仕事中心の生活となり体調を崩してしまった経験から、ビジネスパーソンにおける予防医療の大切さを痛感。“究極の健康食”を模索するなかでたどり着いたのが、日本の伝統食「味噌汁」でした。
味噌汁は、タンパク質が豊富でいて糖質と脂質が少ない。そして、どんな野菜にも合い、何より日本人の舌に馴染みのある「うま味」が豊富。おいしい味噌汁を毎日飲むことが健康への近道だと確信し、当社を設立しました。
15種具材の完全栄養スープ「MISOVATION」とは?
「MISOVATION」は、「日本人の食事摂取基準」に基づき、1杯で1食に必要な31種類の栄養素をバランスよく摂取することができる具だくさんの味噌汁です。豚肉・野菜・味噌などの食材をそのまま瞬間冷凍してあり、水を加えて電子レンジで温めるだけで手軽に食べられます。瞬間冷凍だからこそ維持できるフレッシュなおいしさと、加熱に弱い栄養素もそのままお届けできるのが特徴です。
タンパク質や食物繊維などの栄養素に加え、不足しがちな25種類のビタミンとミネラルが摂取できるほか、味噌・甘酒・枯節といった発酵食品の働きで腸内環境の面からも健康をサポートしてくれます。化学調味料・保存料・着色料・甘味料・香料は、一切使用していません。栄養素だけでなく、味や素材にもこだわり「心の満足感が得られるヘルスケア」を目指しています。
「MISOVATION」は、ECサイトで購入可能です。
使用している味噌について教えてください。
「MISOVATION」は、全国各地の味噌蔵と提携し、毎月味噌の種類を変えて製造しています。また、味噌のことを深掘りして紹介する「MISO TIMES」を制作し、商品と共にお客様にお届けしています。歴史と想いが詰まった日本各地の味噌の魅力も伝えたいと考えています。
使用している味噌は、MIYAKO(マルキヨ味噌/沖縄)、AYAME(高田農園/新潟)、KOSHU(五味醤油/山梨)、TAMBA(足立醸造/兵庫)、KAKUNODATE(安藤醸造/秋田)、HATCHO(カクキュー/愛知)、SAKAKI(新田醸造/長野)、ICHIHARA(赤石味噌糀店/千葉)、CHITOSE(岩田醸造/北海道)、ODAWARA(加藤兵太郎商店/神奈川)といった商品を展開中です。
※2022年10月時点
今後の展開・目標を教えてください。
現在は、月に4個、8個、12個のサブスクリプションのみの販売となっていますが、バラ売りやギフト仕様、海外への展開なども積極的に進めています。企業向けの「MISOVATION for Workers」も好評で、オフィスに専用の冷凍庫を設置したり、リモートワークが中心の場合は社員の自宅に配送したりしています。
国内の味噌の消費量は減少傾向ですが、もう一度味噌汁を飲む習慣を定着させることができれば、栄養バランスが改善され、予防医療にイノベーションが起きるのではないかと考えています。さらに、今後は、現代人一人ひとりの栄養バランスを改善する“パーソナライズ味噌汁”を提供予定です。