南島原市に伝わる「みそ五郎」の伝説とは、その昔、同市にある高岩山に住んでいたというみそ好きの大男にまつわる話です。
この大男は人が良く、誰からも好かれていました。力持ちのため畑仕事の手伝いをしたり、山を切り開いて畑を耕したりしては、村人に喜ばれ、みそを分けてもらっていました。村人たちは、「みそ五郎やん」と愛称をつけて呼んでいました。嵐で港にあった船が沖へ流された際、海の中に入って、流れている船を何隻もつなぎとめ、 陸に引っ張り上げたというエピソードも。
「みそ五郎」の伝説は、人々の心の中に永く語り継がれています。毎年11月には「みそ五郎まつり」が開催され、パレードやそうめん試食会、餅まき、カラオケのど自慢大会など、地元を上げた一大イベントとなっています。
「みそ五郎」の巨大人形は、南島原市役所の倉庫屋上に展示されていますが、新型コロナウイルス感染防止対策の徹底を呼び掛ける目的で、「みそ五郎」がマスクを着用。高さ4mの大男だけに、マスクは縦約60cm、横約70cmと通常の約5倍の大きさ。
市役所の職員6名が廃棄予定の懸垂幕で制作し取り付けたそうです。「みそ五郎」は、市民のマスク忘れ防止に一役買い、これからも心の支えになってくれるのでしょう。
取材協力:南島原市役所