どこか懐かしく新しい味!井之廣製菓舗「味噌煎餅」

岐阜県飛騨市にある「井之廣製菓舗」は、明治41年創業の味噌煎餅専門店。無添加国産素材と3年もの熟成期間を経た自家製味噌を使い、創業当時の手法のまま1枚1枚丹念につくられています。香ばしくてやさしい甘さが特徴の味噌煎餅は、「岐阜県観光連盟推奨観光土産品」にも選ばれた銘菓。

また、地元の産品とのコラボレーションやクラウドファンディング「Makuake」への挑戦など、飛騨市から世界を目指し、積極的に事業を展開しています。

こだわりの国産原料で手づくりしている味噌煎餅

原材料は、秋田県産大豆リュウホウ、飛騨産コシヒカリ、能登産塩、飛騨産さくらたまご、高知県産黄金生姜、北海道産小麦、北海道産てんさい糖等、厳選した国産品を使用しています。

煎餅の味の決め手となる味噌は、毎年1年で一番寒い時期にスタッフ総出で仕込んでいるそうです。大豆だけで1,000kg以上、丸2日かけて行う寒仕込みが恒例。3年熟成させることで風味豊かな味わいに仕上がります。

定番の味噌煎餅には、この味噌を練り込んだ生地を使い、鉄板で厚さ2mmほどにプレスして素焼きします。仕上げには、てんさい糖を溶かして煮込んだ蜜を1枚1枚手作業で塗るなど、丹精込めて丁寧につくられています。

商品開発はスタッフ全員で

伝統を守りつつも新たな販路を開拓すべく7年前に「ちょこっと珈琲入り味噌煎餅」を発売。ホワイトチョコレートと食べられる珈琲豆を細かく砕き混ぜ合わせたものを塗ったもので、これがヒット商品に。珈琲豆は、地元の珈琲店より厳選。

以来、地産地消にこだわり、エゴマや酒粕、バラ、トマト等の地元の産品とコラボレーションした商品を次々発売。新商品を開発する際は、スタッフ全員でアイデアを出し合う日を設定し、試行錯誤しながら商品化に至っているそうです。

おしゃれなギフト向けパッケージもあり、手土産にもぴったり。味噌煎餅は、ECサイトで購入可能です。

世界に通用するお菓子に

世界に通用するお菓子を目指すべく開発された「野草グラノーラ入り味噌煎餅」は、元々人気だった商品をリニューアル。プレーンな味噌煎餅に、ブラックとホワイトのチョコレートをコーティングした2種類で、カカオ生産者を支援できるサステナブルなチョコレートを使用しています。

地元の「飛騨やまさち工房」が手づくりしている野草グラノーラをふんだんにトッピングしてあり、食べ応え抜群。2022年7月にクラウドファンディング「Makuake」に挑戦し、目標を達成。現在は定番商品として販売しています。

「創業以来の伝統を守りながらも従来の概念をくずし、世界に通用するお菓子を目指したいと思っています。安心安全でやさしい味わいの味噌煎餅を、ぜひ食べてみてください」と店長の井之丸勝美さん。

文/秋山昭代

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