三重県の禅宗の家庭では、お盆のお供え料理として、「盆汁」がつくられる。別名の「七色汁」が示すように、7種類の野菜が入っている栄養満点の味噌汁だ。
盆汁の具材は、だつ(里芋の茎)、にんじん、ごぼう、枝豆、なす、油揚げ、かぼちゃなどがメジャーだが、地域や家庭などにより異なる。最近では、だつの代わりにみょうがを入れる家庭が多いとか。
また、「お盆の間に殺生はしない」という考えから、かつお節や煮干しのだし汁も使わないが、具材由来の“だし”が溶け込み、やさしい味わいに仕上がる。
故人が年一回家庭に帰るとされるお盆は、離れて暮らす子どもたちや孫が帰省するなど、一家団らんの機会。故人を思いながら、「盆汁」をつくってみてはいかが?