鹿児島県霧島市福山町は、温暖な気候に恵まれた、黒酢づくりに最適の場所。坂元醸造の黒酢づくりは、約200年前から引き継がれている。黒酢づくりが行われるのは、蔵でも工場でもなく「壺畑」で、全部で10か所、計5万2000本あまりの壺がある。
黒酢の原料は、蒸した米と米麹、地下水の3つ。1つの壺の中で、糖化、アルコール発酵、酢酸発酵が自然に進行するという、世界でも類を見ない製造方法。発酵具合は一律ではなく、黒酢職人が一つひとつ壺の蓋を開けて状態を確認するなど、「子育て」のように愛情と手間暇をかけ、見守り育てていく。
最低でも1年以上、長いもので5年もの間、じっくりと熟成させていく。熟成を重ねるにつれて色が濃くなり、味は奥深くまろやかになっていく。味は、好みや用途で選ぶとよい(左から1年熟成、2年熟成、3年熟成)。
【坂元醸造】
鹿児島県鹿児島市上之園町21番地15