「十石みそ」は、群馬県上野村で数百年の伝統を受け継ぐ昔ながらの麦味噌です。元々は各家庭でつくられていた麦味噌を、群馬県上野村農業協同組合(以下「JA上野村」)で製造販売しています。生味噌タイプのインスタント味噌汁やドレッシング、味噌漬けなどの関連商品が好評。また、同組合で開催している味噌作り体験講座も人気です。
「十石みそ」とは
「十石みそ」の名前は、上野村と長野県との県境にある十石峠に由来します。長野県からは一日十石(約1500kg)の米を馬の背に乗せていき、白井関所で物々交換していたことから十石峠と呼ばれていました。かつて上野村では米がとれず、麦を主食や保存食として幅広く活用されていたこともあり、味噌も麦麹を使って作られていました。
昭和46年頃から地元の特産品としてJA上野村で製造販売していますが、村内のみならず県内外にも広く知られる人気商品となりました。平成18年には地域団体商標登録の申請をし、約1年後に認証取得。特産品を使い地元で製造したこだわりの商品を群馬県が認証する「群馬県ふるさと認証食品」にも登録されていました。現在は高品質な県農畜産物に与えられる「GUNMA QUALITY」に、上野村産の大豆を使った限定品の「十石みそ」が登録されています。
昔ながらのこだわりの製法
「十石みそ」は、厳選した国産原料を昔ながらの製法で一年近くじっくりと熟成させてつくられる麦味噌です。国産大豆を使用した十割麹で添加物不使用、粒々をすりつぶしたこし味噌タイプもあります。九州の麦味噌とは違い、熟成させた田舎風の麦味噌で、味噌汁や味噌漬けで食べるのがおすすめです。
フレッセイ、ベイシア、JAファーマーズマーケット、Aコープなどのスーパー、道の駅ららん藤岡、上野村の通販サイト「十石市場」等で購入できます。また、直接電話注文にも対応しています。
味噌作り体験も人気
JA上野村では、上野村産業情報センター(上野村森の体験館)が主宰する味噌作り体験にも協力し、材料の調達と講師の派遣をしています。講座では「十石みそ」と同じ材料を使い、3kgか10kgの麦味噌を作って持ち帰ることができます。毎年2月と3月に開催していますが、予約が取れないほどの人気だそうです。
「道の駅上野では、十石みそをベースとした猪豚鍋を食べることができます。上野村は大自然を満喫できる観光スポットや施設が充実しているので、味噌を味わいにぜひ来てください」とJA上野村特産部の太崎琢也さん。
【群馬県上野村農業協同組合】
TEL/0120-86-1059
文/秋山昭代