岐阜県郡上市のご当地グルメ「奥美濃カレー」は、地元の特産品である「郡上味噌」を隠し味にした、濃厚で奥深い味わいのカレー。奥美濃カレー協同組合に加盟している市内の飲食店12店舗が、趣向を凝らしたオリジナルの奥美濃カレーを提供。ご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」に出場したり、県内外のイベントに出店したりするなど、郡上市の名物として知られています。
奥美濃カレー誕生ストーリー
奥美濃カレーは、2008年の東海北陸自動車道全線開通に向け、通過点である郡上市の名物をつくろうと開発されたご当地グルメ。助言を求めた東京の有名カレー店が隠し味に味噌を使っていたことから、特産品である郡上味噌に着目し、メニュー化されました。
大豆麹と麦麹を使い昔ながらの製法でつくられる郡上味噌は、全国的に見ても珍しい味噌。赤味噌でも白味噌でもない独特の旨味とコクがあり、味噌と醤油の中間のような柔らかさが特徴。普段のお味噌汁はもちろん、郡上の郷土料理で有名な「鶏ちゃん」にも使いやすく、料理がおいしく仕上がります。
奥美濃カレーの特徴
地元の食材と郡上味噌を使うことが、奥美濃カレーを名乗る唯一のルール。各店舗それぞれが独自のオリジナルカレーを提供しています。奥美濃カレーをベースに石窯でじっくり焼かれた「郡上肉味噌カレーピザ」、ゴロゴロ野菜が入ったホワイトカレー「雪の妖精カレー」、「奥美濃古地鶏」を使用したチキンカツがトッピングされた「奥美濃古地鶏親子カレー」など、バラエティ豊かな味わいが楽しめます。
また、お土産にピッタリなレトルトの「郡上奥美濃カレー」や「郡上奥美濃カレーせんべい」を商品化。各店舗や市内の土産店、道の駅で購入可能です。
奥美濃カレー妖怪が登場!
奥美濃カレーがおいしく化けた設定の6体の妖怪キャラクター「奥美濃カレー妖怪」は、“もののけアーティスト”の谷村紀明さんのデザイン。奥美濃カレーを提供する6店舗で、妖怪がさまざまなメニューに化けています。
奥美濃カレー妖怪の塗り絵やポップが各店舗に設置され、お店に訪れた人々がSNSで発信するなどして話題に。奥美濃カレー妖怪が、町おこしに一役買っています。
岐阜県立郡上北高等学校×奥美濃カレー
奥美濃カレー協同組合では、岐阜県立郡上北高等学校の観光・ビジネスコースの学生と連携して、10年以上にわたり、地域活性化プロジェクトを展開。郡上北高等学校の生徒が、イベントのブース設営や販売、収支計算まで行い、ビジネス実習の場にもなっているそうです。
「奥美濃カレーは、“みんなで食べる、おいしい地域ブランドカレー”がコンセプトです。奥美濃カレーが観光客と地域を結びつけるだけでなく、地域内のコミュニケーションや郷土愛が深まるきっかけになれば」と語る、事務局長の後藤正和さん。
文/秋山昭代