「おしなそば」は、長野県諏訪市内の飲食店などを経営する女性3人が食で地域を元気にしようと開発したメニューです。信州の伝統野菜「上野大根」と諏訪の味噌、信州そばを組み合わせたもので、現在は新たなご当地グルメとして市内の8店舗がそれぞれ独自のメニューを提供しています。
江戸時代のそば文化にちなんで命名
江戸末期の古文書に高島(現在の諏訪市)藩主をもてなす献立として、そばに大根おろしや味噌を添えて提供したとの記録があったことをヒントに、上野大根のおろしを信州そばにのせ、焼き味噌をそばつゆに溶かして味わうぶっかけそばに仕上げました。
名称は江戸時代に信濃のことを「おしな」と呼んでいたことや、地元のさまざまなエピソードをふまえ「おしなそば」と命名したそうです。
特別に栽培した上野大根を使用
上野大根は、市内で300年程前から栽培されていたといわれる信州の伝統野菜で、小ぶりな寸胴型をしています。コリコリと硬くて辛いのが特徴で主にたくあんに加工されていますが、大根おろしの辛みと甘味がそばのおいしさを引き立てることに注目。上野農事大根組合の全面協力のもと、おしなそば用に特別に栽培したものを使用しているそうです。
味の決め手は焼き味噌
特に味の決め手になっているのは、諏訪の自然が生み出した味噌。大根の辛みと味噌の旨味と甘み、そばの風味が調和し、やみつきになると地元客だけでなく観光客にも好評だそうです。
「現在は市内の8店舗だけで提供していますが、今後は諏訪のご当地グルメとして定着していってもらえたら」と諏訪賑わい創出プロジェクト 資源開発部会の皆さん。
文/秋山昭代