山梨県内の山間部などでは、米の生産量が少なく、かつての主食は、麦、トウモロコシ、ソバ、イモ、カボチャなどで、「朝おねり、昼おやき、夜ほうとう」という言葉が各地に残っている。聞きなれない「おねり」とは、ジャガイモやカボチャを柔らかくなるまで煮込み、トウモロコシ粉を加えて練り、みそ、しょうゆなどで味付けしたもの。
ねぎみそ、大根おろしとみそなどをつけて食べることもあり、地域、家庭により食し方はさまざまだ。
山梨県民に聞いても、「聞いたことがない」と言われるほど、今はあまりつくられていないが、素朴ながら、野菜由来の甘味を味わえるヘルシーな一品。子どもたちにも、安心して食べさせられる昔ながらの食の知恵だ。