鎌倉味噌醸造・村上ひろしさん「味噌好きが高じて味噌屋に。夢は味噌蔵食堂のオープン」

藤沢市にある「鎌倉味噌醸造」は、天然醸造でじっくり醸された贅沢な味噌をつくる味噌屋。「鎌倉みそ 吟醸」は神社のしめ縄、「江の島みそ 熟成」はヨットのロープをイメージしたパッケージが目印で、湘南のお土産にも人気の商品です。代表の村上ひろしさんに、お話を伺いました。

聞き手/藤本智子

鎌倉味噌醸造を立ち上げたきっかけは?

もともと「焼酎バー」を経営していましたが、来店客から「つまみも欲しい」というリクエストが多くなり、居酒屋に変更することに。料理の修行をするため、和食や中華、フレンチ、ビアガーデンなどさまざまな飲食店で働きました。

そんななか、千葉県の九十九里町で働いていた時期に転機が訪れたのです。その地域では、地元の人々が集まって味噌づくりをしていて、お手伝いをする機会に恵まれました。そして、できた味噌のおいしさに感激し、すっかり手づくり味噌の虜になりました。

実は、昔から食事に味噌汁が付かないと嫌なタイプで、信州味噌や赤だしなど、いろいろな味噌汁を食べて育ちました。手づくり味噌にはまったのも、必然だったのかもしれません。

その後、仕込みの研究を重ね、ついに鎌倉味噌醸造を立ち上げることに。味噌づくりに選んだのは、鎌倉の地。数年後、より理想的な製造を目指すため、湿気の管理に最適な木造の物件を求め、藤沢市の大鋸に移転しました。

看板味噌について教えてください。

当店では、「鎌倉みそ 吟醸」と「江の島みそ 熟成」の2種類を取り扱っています。熟成期間が1~2か月程度と短いのが「鎌倉みそ 吟醸」で、1年近く熟成期間させたのが「江の島みそ 熟成」です。同じ原料、同じ配合で仕込んでいますが、熟成期間によって味わいがまるで変わります。

「鎌倉みそ 吟醸」は、上質な風味とほのかな甘味を感じることができるのが特徴で、みりんや砂糖を合わせて、肉や魚を漬けて焼くと絶品です。「江の島みそ 熟成」は、深みがあり濃厚で上品な味わいが特徴です。シンプルに味噌汁が最高ですが、焼き味噌おにぎりもおすすめです。

お味噌は、「ネコサポステーションFujisawa SST」「とことこ湘南 とことこ暮らし」「湘南藤沢スーベニールズ」等で販売していますので、ぜひ召し上がってみてください。

味噌づくりのこだわりは?

味噌の開発には1年ほどの時間をかけ、試行錯誤しながら今の醸造スタイルを確立しました。開発の際にこだわったのは、ファーストインプレッションを大切に、“そのまま舐めておいしい”と感じてもらえること。

味噌づくりの要となる「麹」は、地元の素材を使いたいと考え、湘南産の米「はるみ」を使用しています。麹歩合は16割で、米麹をたっぷりと贅沢に使用していますので、上質な風味とほのかな甘味を感じることができます。大豆は北海道産、塩は瀬戸内海産を使用しています。

そして、出来上がりにムラができるのを防ぐため少量で木桶に仕込み、天然醸造でつくっています。手間と時間がかかるため効率を度外視した製法ですが、創業当時に抱いた思いを大切に、手づくり味噌のよさを残しています。

今後の展開、夢を教えてください。

「手前味噌」という言葉があるように、かつては各家庭での自家醸造が当たり前でした。そんな昔ながらの味わいをこれからも守り、伝えていきたいと考えています。大豆、米、塩だけで、これだけ複雑な味わいを醸し出す味噌は、すごいと思います。

現在はありがたいことに、お味噌が足りなくなるほど注文をいただいていますが、これからさらに広げるべく、営業活動にも力を入れていきたいと考えています。

飲食店経営の経験も生かし、いつか自分でつくったお味噌を使った料理を提供できるような「味噌蔵食堂」をつくるのが夢です。

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