麹料理研究家・ おのみささん「イラストを通して、発酵の楽しさを伝えたい」

幼い頃から絵を描くことが大好きだったおのみささんは、短大卒業後、デザインの世界へ。2008年より、「麹料理研究家」という異例の肩書を持ち、書籍を多数出版、独自でイベントを主催するなど多方面で活躍中。おのみささんが、麹やみそなどの「発酵」に魅了された理由に迫りました。(聞き手/ ミソガール・藤本智子)

麹やみそに興味を持ったきっかけは?

人並みに料理はしてきたものの、麹やみそについて深く考えたことはありませんでした。が、10 年前、友人の紹介で手づくりみそに挑戦したことがきっかけで、不思議な発酵の世界にどっぷりとはまりました。当時は何も意識せず、WEB で調べてジッパー付保存袋で適当につくりました(笑)。それが幸いで、袋はどんどん膨れ「発酵」の現象を目のあたりに。生きものを育てる感覚に衝撃を受け、さらに出来上がったみその味に感動しました。

普段はどんなお仕事をされていますか?

フリーランスで幅広いジャンルのイラストやデザインの仕事をしていますが、2009 年からは、麹に関する仕事を中心に書籍出版や料理教室開催、レシピ開発などを行っています。また、世田谷区経堂にあるイベント酒場「さばのゆ」で月1 回、「立ち呑み・麹酒場」を開催、発酵好きの人たちが集う空間を提供しています。ゲストを招いて、「菌トーク」を披露することもあります。

麹やみその魅力とは?

発酵食品の良いところは、なんといってもデトックス効果が抜群で、体に良いということです。私自身、麹やみそをたくさん取り入れたことで、長年の悩みだったアトピーはほとんど治り、体も軽く、体調が良くなったことを実感しています。目に見えない微生物たちですが、私の中では、彼らはいつもただ笑っているイメージ…。がんばって発酵食品をつくろうとしているのではなく、あくまで自然体、そこがいいなと思います。

みその思い出を聞かせてください。

私は大分にいた祖母の手づくりみそを食べて育ちました。毎年、大量に麹からつくり、わが家に送ってくれました。残念ながら詳しい話はもう聞けませんが、今でも甘口の麦みそ、いりこだしのみそ汁が一番落ち着きます。私も毎年みそを仕込み、毎日みそ汁は欠かしません。好きな具材はシンプルに油揚げと豆腐。出かけるときは、みそにいりこ粉と具を混ぜて持ち歩き、お湯を注いで飲んでいます。

これからの夢を教えてください!

難しいと思われがちな発酵の世界を、イラストを通して、楽しくわかりやすく伝えていきたいです。そして、簡単・おいしい・楽しい「手づくりみそ」をもっともっと広げていきたいと思います。

【プチトマトといかのみそ煮】

【材料(2 人分)】
いか…1 杯
プチトマト…1 パック
A. 水…50ml、みそ…大さじ1、みりん…小さじ1

【つくり方】
①プチトマトはへたを取って、おしりに爪楊枝で小さい穴をあけておく。沸騰したお湯で10 〜20 秒茹で、皮がはじけてきたら冷水にとって皮を剥く。
②いか胴から足をわたごと引き抜き、軟骨を取り除く。足とわたを切り分け、くちばしを取り除き、足は食べやすい大きさに切る。胴は中を洗って輪切りにする。
③いかのわたとA は混ぜ合わせる。
④ 3 を鍋に入れて中火にかけ、沸騰したら1 と2 を加え、いかの色が変わるまで煮る。

Misa Ono, a koji-dish cooking expert, illustrator,and author, was mesmerized by the fermentationprocess when she made miso for the first time ten years ago.
Since then she has been immersed in the wondrous world of fermentation, which she shares through her illustrations and other projects.

関連記事

  1. 焼津みそまん学会・村松 実さん「伝統的な和菓子の魅力を伝えたい」

  2. Koji worksを主宰するグレイドン尚子さん「イギリスで麹や味噌の魅力を伝えたい」

  3. 藤田晃司さん「美容&健康への近道はみそ」

  4. 【寄稿】音楽に欠かせないミ・ソ

  5. 【寄稿】季節で楽しむ味噌

  6. 歌で伝えたい、みそ汁の魅力「みそしるの唄」