2023年11月で丸9年を迎える「代官山comecafe Osamu bar」は、東急東横線・代官山駅、JR渋谷駅(新南口)から徒歩5分の閑静な住宅街にあります。昼は味噌や麹を使った創作料理のカフェ、夜はバーという2つの顔を持っています。
コロナ禍で夜の営業ができなかったことからテイクアウトや味噌作りのワークショップに力を入れていましたが、現在では毎日のようにさまざまなワークショップが開催され、人々が集う場にもなっています。
看板メニューは「おさむさま定食」
オーナーの西尾治さんは、自身の体質を改善した経験から、薬膳や味噌、麹を使ったメニューを開発。西尾さんの名を冠した「おさむさま定食」がお店の看板メニューです。薬膳カレーライス、アボカド味噌おかか丼、ネバネバ丼、パクチー肉味噌TKG丼、オクラ玉葱納豆炒飯などの中からメインを選べ、副菜と味噌汁が付いています。
副菜にもこだわっていて、きゅうりの塩麹漬けや甘酒で味付けをしたキャロットラペ、ぬか漬けなどの発酵食品を使った3品です。また20割麹の自家製味噌をお湯で割っただけの味噌汁は、麹のうま味を感じて欲しいのであえて出汁は入れていないそうです。
昼はカフェ、夜は予約制のバー
大学卒業後、六本木で7年ほどバーを経営していて、もともとはフレンチ専門、ワインソムリエでもある西尾さん。あるとき、ワインの第一人者・田崎真也さんの講座の中で「舌が命であるソムリエは、食生活に気をつけること。加工品に多く含まれている添加物が味覚をダメにする。多品目の食材を食べることで、甘味・塩味・酸味・苦味・うま味を感じる味覚が鍛えられる」という話を聞いて、衝撃を受けたそうです。
肉や乳製品中心の洋食一辺倒だったそれまでの食生活をがらりと変え、“体にいいもの”を追求するように。辿り着いたのが「自然食」で、以前はひどかったむくみも今は全くなくなったとか。その後、オープンしたのが「代官山comecafé Osamu bar」です。
ほぼ毎日開催されるワークショップ
東京、神奈川を中心に活躍中のみそソムリエkeikoさんと、月1~2回ほど「味噌仕込み教室」を開催。農薬不使用の大豆と米麹、塩はミネラルバランスの良い沖縄の塩を使用しています。
他はお客様が講師となり、ほぼ毎日のように日替わりでさまざまなワークショップが開催されています。1本の紐で体の調子を整える「ひもトレ」や、5本の指で大地を掴む感覚を育てる「マンサンダル」づくり、顔面や舌などを診察して体の内部の問題を観察する「望診」など、心と体に良いことを学びたい人々が自然と集まるようになってきたそうです。
自分が満たされているからこそできるボランティア
西尾さんは、他にも「グリーンバード」代官山チームのリーダーとして、街のゴミ清掃ボランティアの活動もされています。心理学で使われる“シャンパンタワーの法則”は、重ねたシャンパンタワーの一番上のグラスが満たされることで下のグラスも満たされるという意味。自分が満たされているからこそ他の人をも幸せにすることができると考えて、積極的にボランティアに参加されているそうです。
「心・体・魂どれもが輝いている状態が健康だと考えています。食べたものや見たもの、経験したこと全てが私になる。心と体に優しい食事、ワークショップ、映画をこれからも発信していきたいと思っています」と西尾さん。
【代官山comecafe Osamu bar】
東京都渋谷区鶯谷8-10 代官山トゥエルプⅡ 2F-A
TEL/090-6538-1380
文/秋山昭代