江戸時代から庶民に親しまれてきた群馬県の上州名物といえば「焼きまんじゅう」。小麦を練り合わせ発酵させてつくったまんじゅうを串に刺し、秘伝の甘いみそダレを裏表に塗ってこんがり焼いたもの。スタンダードな焼きまんじゅうは、直径約7 〜8 センチで串に4 個。甘さやみそダレの量、濃厚さなど、各店ごとにオリジナリティがあり、あん入りを販売する店もある。「焼きまんじゅう」は、一般の家庭でつくるものではないが、祭りやイベントではおなじみの存在で、上州人のソウルフードともいえる代表的な郷土料理。
まんじゅうといっても、ふわふわしたパンのような不思議な食物で、群馬特産の小麦を原料とする粉食文化ならではの料理でもある。農家では昔から、ふくらませない「おやき」、「やきもち」が普段の副食で、ふくらませる「まんじゅう」は特別な行事の時につくっていたという。伊勢崎市では、毎年1 月11日に「焼き饅祭」が開催され、正月の風物詩となっている。「焼きまんじゅう」は、群馬のお土産品としても人気だが、本場で焼きたてのアツアツを味わうのが一番。濃厚なみそダレに香ばしさがプラスされ、郷愁感のある味わい。大きいので上品に食べることはできない。豪快にかぶりついていただこう。
Yaki Manju, a specialty of Gunma, is skewered wheat buns that are grilled with a sweet miso sauce, which has been enjoyed since the Edo period.