大人気の調味料「ハチミツみそ」の考案者で、料理家「勇気凛りん」こと岸田夕子さん。米国シカゴ郊外在住中の2006 年よりレシピ投稿サイトでオリジナルレシピを公開。2008 年に料理ブログを開設すると、たちまち雑誌やテレビなどで取り上げられ人気ブロガーとして一躍有名に。帰国後は商品やレシピ開発、執筆、メディア出演など、料理家として活躍中。料理イベントを開催すればあっという間に満員御礼。話題の「ハチミツみそ」の誕生秘話、ナチュラルな岸田さんの魅力に迫ります。(聞き手/ ミソガール・藤本智子)
オリジナルレシピを公開するようになったきっかけは?
独身時代は商社に勤務。結婚後、夫のアメリカ赴任に伴いシカゴへ。当時は専業主婦でしたが、趣味の「手づくりビーズアート」を教えてほしいと現地に住む日本人たちがわが家に集まるようになりました。噂は広まり、多い時は週3 回、ビーズ教室を開催。私の手づくりお菓子を食べながらが定番で、そのうち「レシピを教えてほしい」といわれ、WEB にレシピを紹介するようになりました。
人気ブロガーとしての苦労はありますか?
ブログを継続していくのは結構大変。15 分や20 分では書けないので、十分に時間のない時や、忙しい時は、つい何日も放置してしまうことが。でも読者の方々から「早速つくってみました」「おいしかったです」などコメントをいただくと励みになるし、発信したことが自然と広がり、商品ができたり、人々の生活に溶け込んでいくことはとてもうれしいことです。レシピが思いつかず苦しむこともありますが、不思議なことにふっと思いつくもので、その瞬間を引き出せるよう、たとえばスーパーで食材を眺めるといった努力はしています。
ハチミツみその誕生エピソードを聞かせてください。
幼い頃からお菓子づくりが大好きで、小学生の時、小麦粉と卵と砂糖でこんなにおいしいものができるんだ〜と感動したものです。以来、お菓子づくりは私のライフスタイルの一部となりましたが、ある時、白砂糖の消費量の多さにふと危険を感じたため、一切料理に使うのをやめ、代わりにハチミツを使うことにしました。味噌を料理に使うことが多かったので、合わせ調味料として常備してみようと思ったのが、ハチミツみその始まりです。
「ハチミツみそ」のおすすめ活用法は?
ハチミツみそのレシピは「味噌2:ハチミツ1」を混ぜるだけと至ってシンプル。まとめてつくって冷蔵庫に常備、約1 か月保存が可能です。そのままディップにしたり、食材を漬けたり、煮物や炒めものの調味料や隠し味として使えばコクや深みが増して、いつもの料理がワンランクアップ。さらに栄養価も見逃せません。
岸田さんと味噌との関係について教えてください。
子どもの頃から味噌が大好き! おにぎりやラーメンなどは、迷わず味噌味を選んできました。東京出身ですが、中学、高校と長野に住んでいたこともあり、信州味噌が定番。クセがなく、どんな食材とも相性のよい信州味噌とハチミツは最高の組み合わせ。冷蔵庫には必ず常備し、娘はそのままごはんにかけて食べるほど、ハチミツみそが大好きです。
これからどのような発信をしていきますか?
私にとって「味噌」は、なくてはならないもの。空気のような存在です。どの調味料よりも味噌が主役です。しかし、味噌は醤油のように液体ではないので面倒と思う若者が多いと聞いた時は衝撃でした。発信の中では、アメリカで話題になっている調理法や、これから流行りそうなスイーツや料理を紹介することも大きなテーマですが、食のトレンドを伝えると同時に、味噌汁のダシをしっかりとることなど、日本の伝統的な食文化を次世代に伝えていくことも大切なことだと思っています。
Yuko Kishida is a cooking expert and also a popular blogger who goes by the name Yuki Rinrin. She always has “Hachimitsu Miso,” a blend of honey, which she uses in cooking instead of refined sugar, and her favorite seasoning miso, in her fridge. It is versatile and adds a rich flavor to dishes.