小玉醸造・歴史あるレンガ造りが蔵人たちの思いを伝える

明治12 年、創業者・小玉久米之助が醤油・味噌の醸造を手がけたことに始まる小玉醸造株式会社。「ヤマキウ」の名で知られる味噌・醤油は、秋田を代表する醤油・味噌醸造元として不動の地位を確立するまでに成長。これまでに農林水産大臣賞、秋田県知事賞など数々の賞を受賞。また、秋田を代表する銘酒として全国に知られる「太平山」ブランドも有名だ。ちなみに「秋田味噌」の名称を用いたのは小玉醸造が元祖。

昭和10 年代初頭、すでに秋田県内屈指の味噌生産量を有し、その販路を県外へ広めるために名付けたのがきっかけだった。以降、秋田県産の味噌の評価が高まったこともあり、県産味噌の販路拡大の一助になればと、その名を県内メーカー共有のものにしたという。

現在も県内一の生産量を誇る故郷の味「秋田味噌」は、「米の国秋田」にふさわしく、米を多く使った米味噌です。現在は製造管理されてつくられる淡色系の味噌と、従来からの製造法で1 年6 か月の月日をかけてつくられる天然醸造に分かれており、特に天然醸造の味噌は米麹に含まれる多数の酵素と蔵に住みついた良質な酵母が、大豆の中から独特の旨味と甘さを引き出す。味噌は「発酵」という天然の力を借りてつくられる自然食品。変化に富む秋田の四季が生み出す芸術の味ともいえる。

「秋田味噌」
秋田県産「あきたこまち」を使った米麹と国産大豆を1 年半かけて熟成。大地の恵みが凝縮した吟醸味噌。

「秋田味噌は、毎日の味噌汁のほか、郷土料理・味噌たんぽや、豚汁がおすすめ」と製造部の菊地仁さん。「味噌の健康効果、日本の食文化の多様性と価値を伝えることが使命。時代のニーズに合った新しい要素も柔軟に取り入れながら、 歴史ある『秋田の味』を未来につなげたい」と語るのは、取締役営業部長の小玉康明さん。創業当時の面影を残すレンガ造りの蔵が立ち並ぶ様は壮観だ。蔵見学は随時、無料で受付中。詳細はお問い合わせください。

【小玉醸造株式会社】
秋田県潟上市飯田川飯塚字飯塚34-1
TEL/018-877-2100

左から府金製造部長、菊地製造課長、ミソガール藤本、小玉営業部長

Kodama Jozo, a brewing company established in 1879 in Akita, produces the flavorful “Akita Miso,” which takes a year and a half to make using a natural brewing process. You can take a tour of the miso storehouse made of bricks, which looks spectacular.

関連記事

  1. 一馬本店・下川啓文さん&倫子さん「味噌をつくり続けて120年」

  2. 裏方だからこそ、ホンモノでありたい

  3. 忠臣蔵にも登場する「ちくま味噌」

  4. 【ご当地味噌グルメ】青森生姜味噌おでん

  5. カネジュウ食品・稲森律子さん「駿河が誇る相白味噌を国内外へ伝えたい」

  6. 【ご当地味噌グルメ】夏野菜をかしこくおいしく「ピーマン味噌」