1906 年創業のホシサン株式会社は、清流・白川の辺に工場を構え、厳選された熊本県産の米、麦、大豆に阿蘇の伏流水、天草の天然塩と、自然そのものを材料に味噌、醤油ほか加工調味料をつくる醸造元。30 年前、先代から会社を継いだ古荘完二さん(写真中央)は、この地に最先端の味噌工場を建設、西日本では先駆けて大規模な近代工業化をはかり、現在に至る。
2012 年には熊本市版HACCP(熊本市食品自主衛生管理評価)認証を取得、お客様の信頼も厚く、選ばれる味噌メーカーとしての地位を築いている。だが、どれだけ機械化が進んでも、つくるのは人であり、長年の経験に基づいた職人ワザに頼らざるを得ないのは、味噌が生きものだから。材料はもちろん、天候や温度、湿度によって変化する麹づくりは、マニュアル通りにはいかないという。
そのため古荘社長は、毎朝工場に出向き現場を見て回る。工場の扉を開けた瞬間に、その日の麹の出来具合がわかる。ホシサンの味は、長年培った古荘社長の五感と勘に因るのである。「大切なのは、声かけと心がけ。話しかけ、愛情をかけてつくる味噌はまろやかな風味。なめておいしいが基本」と品質管理室係長・久吉貴博さん(写真左から3人目)。
さらにホシサンが大切にしているのは、若い感性。マーケティングや商品開発、販売促進には、女性や若い社員の力を生かしている。「伝統を守る一方で、現代はスピードが命。時代を先読みし、生活者目線を大切にしながら常に新しい挑戦を続けていきたい」と取締役・福島智子さん(写真右から3 人目)。ものづくりに対する厳しく誠実な姿勢とともに、ウーマンパワーが生きている会社。スタッフの素敵な笑顔が印象的だった。
【ホシサン】
熊本県熊本市北区龍田弓削1-28-8
TEL/096-338-1100
Hoshisan, a brewery company in Kumamoto, manufactures miso and soy sauce using local rice, barley, soybeans, and the blessings of nature such as subsoil water and natural salt. Hoshisan’s miso is made with love, and the company puts value on consumer’s viewpoint.