ドンドン広がる新しい世界「みそ丼」

牛丼、天丼、親子丼、海鮮丼など、器に飯を盛り、その上に食材をのせた「丼ぶりめし」は、もはや日本人の生活にはなくてはならない、国民食。ごはん+食材の組み合わせ、味付けのバリエーションでレシピは無限大に広がる。濃厚なみそ風味とごはんの相性は、誰もが認める名コンビ。発酵界の「ドン」ともいえる「みそ」は、丼ぶり界の「ドン」でもあると声を大にしていいたい。ドンドン盛って、ドンドン食べれば、ドンドン広がる新しい世界!

丼のルーツ「芳飯」は、みそと深い関係が?

室町時代に流行した「芳飯」と呼ばれる料理が丼のルーツといわれている。ごはんの上に野菜や魚をのせ、みそ汁や出汁などを加えて食すもので、中国から伝来したとされる。食べやすく、見た目もきれいなことから人気を博し、特に上流階級で流行した。本格的に丼が広がるのは江戸時代。古来から米を食べてきた日本人ならではの発想だが、おかずと一緒に食べれば効率的だと考えた。飯を手早く食べたい江戸っ子気質にもぴったりで、飯の上に直接おかずをのせた丼が発展していった。現代の代表的な「牛丼」「親子丼」「かつ丼」などが誕生したのは大正時代以降で、その後、丼文化は急成長し、日本を代表する料理として定着。今でも手軽で気取らない料理として国民に愛されている。

全国を代表する各種「みそ丼」

旬の産品を生かす懐かしくて新しい味「信州諏訪 みそ天丼」

天丼といえば醤油だれが一般的だが、老舗のみそ屋がひしめく信州諏訪にはみそだれを使用した「みそ天丼」がある。諏訪産のみそほか、諏訪湖特産のわかさぎや川えび、地産野菜を使用と、とことん地産地消にこだわった一品で地元の名物として愛されている。「みそ天丼」を開発したのは「賑わい創出PJ資源開発部会 信州諏訪みそ天丼会」。地域資源を生かすことで市民のまちづくり意識が向上し、諏訪名物ができたらいいなとの思いから、2005年に同会が発足、「信州諏訪みそ天丼」が誕生した。

現在は諏訪湖周辺のお店、21店舗で「みそ天丼」が味わえる。目印は、「みそ天丼」と大きく書かれたオレンジの旗。それぞれのお店でオリジナリティあふれる「みそ天丼」が楽しめる。毎月4日を「みそ天丼デー」とし、「どん丼 食楽祭」を開催。「みそ天丼」を楽しむ演芸イベントやスタンプ2倍サービスが実施される。詳細は公式サイトか、各店舗にお問い合わせを!また4月には、待望の「みそ天丼」のたれが商品化。「まんぷく家族」にて提供している味が自宅で楽しめる。購入は、諏訪ふれあい広場(直営店舗、まんぷく家族・アベニュー、諏訪市内観光施設等で。

大正ロマンを味わう逸品「信州須坂 みそすき丼」

信州須坂は寒暖の差が大きく、みそづくりに大切な発酵・熟成にも適した場所。良質な大豆を用い、代々受け継がれた伝統技法により丁寧につくられたみそは、まろやかで香り高い味わい。須坂にある5つのみそ蔵と、地元の飲食店の有志が集まり「信州須坂みそ料理乃會」を組織し、みそ料理を提供している。「須坂の名物をつくろう」という思いを胸に、1年間の試行錯誤を重ね、須坂のみそを使った「割り下」を開発。須坂の伝統野菜「村山早生ごぼう」の使用を条件とし、各店オリジナルの「信州須坂みそすき丼」が誕生した。

濃厚なみその味わいで、ご飯との相性抜群。「村山早生ごぼう」は、色が白くて柔らかく、アク抜きが不要。「みそすき丼」には欠かせない食材だ。明治から大正にかけて須坂では、製糸業が盛んで、生糸を買い付けに来た横浜をはじめとする生糸商人たちに好評だったのが、「須坂みそ」で味付けしたすき焼きであった。「みそすき丼」は、“大正ロマン”の味を復活させた「おもてなし料理」だ。

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