ジャポニックス代表取締役社長・土屋勇蔵さん「豊かな食文化を次代へ!味噌は可能性の塊」

「日本のおいしさを届ける」をモットーに、味噌を中心とした食品の卸会社の三代目として会社を切り盛りする土屋勇蔵さん。味噌と和食が大好きで、常に次の時代のヒット商品を模索。業界の底上げのため、味噌の普及活動も精力的に行っています。「味噌は可能性の塊」と笑顔で語る土屋さんにお話を伺いました(聞き手/ 藤本智子)。

株式会社ジャポニックス 代表取締役社長 土屋勇蔵さん
1974 年生まれ、大阪府出身。関西学院大学経済学部卒業後、ジャポニックスに入社し2012年代表取締役社長に就任。関西みそPR委員会委員長も兼任。趣味はゴルフ、2児の父。

ジャポニックスの成り立ちは?

創業者である祖父は、もともと味噌を製造していましたが昭和の空襲で工場も販売店も焼失してしまい、味噌専業の問屋として商いを再開したのが当社の始まりです。これまで大手以外にも、各地に点在する名品を発掘し、さまざまな店舗へ商品を卸すことで、日本のおいしさをお届けしてきました。しかし、ただ卸すだけではなく、先んじて消費者に伝え、売るところまでが重要と考え、メーカーとの共同商品開発、売場の提案、情報発信なども積極的に行ってきました。

味噌業界の現状は?

食生活の多様化もあり、味噌の消費量は40年前の約半分ほどに激減しています。また味噌は全国各地に蔵元があり個性豊かな味噌をつくってきましたが、近年は次々と蔵元が姿を消している現状です。販売ルートの確保や後継者問題、原料の高騰など、理由は多岐にわたりますが、多くの味噌があるからこそ、味噌文化がつくられてきたのです。小規模であっても、光る逸品を世に出し流通させることが、使命だと思っています。しかしながら、まだ劇的な回復には至っていないものの、ここ数年の発酵食品ブームの影響は顕著で、味噌への注目度が年々高まっているのを感じています。

味噌専門卸の役割とは?

味噌だけで100社近くのメーカーと取引をし、数千に及ぶアイテムを取り扱っています。その中からよりよい商品を提案するため、メーカーに味噌の特徴などを徹底的にヒヤリングし、売り場提案までを考えます。若手社員は、目利きはベテラン社員にかなわなくても、発想は面白いので、できるだけ自由に企画をさせています。今年は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止しましたが、毎年流通関係者向けの展示会「彩食展」を開催し、その年の提案を発表する機会を設けています。

毎年恒例の「彩食展」

味噌の魅力とは?

これほど種類も豊富で汎用性の高い調味料は他にはなく、味噌は可能性に満ちていると思います。味噌のことは常に考えていて、先日も黒にんにくと合わせてみたり、料理に「ちょい足し」してみたり、日々の生活は研究の宝庫です。単品でもおいしい味噌ですが、味噌の多様性やアレンジの幅を知るという点でも「合わせ味噌」をもっと知ってほしいなと思います。

今後の展開は?

味噌は説明商品であり、もっと消費者が味噌のことを知る、親しむ機会が必要だと感じています。味噌メーカー数十社と連携し運営する「関西みそPR委員会」では、毎年幼稚園等で食育イベントを実施。味噌の紙芝居やクイズをやりますが、盛り上がるのは「味噌山づくり」。味噌をペタペタして、匂いや感触を子どもたちに味わってもらいます。新型コロナウイルス感染症が収束しだい再開し、SNSの発信も強化していく予定です。これからもメーカーとお店、そして消費者をつなぐ存在でありたいと考えています。

関西みそPR委員会の幼稚園での食育活動

株式会社ミソド代表取締役、一般社団法人みそまる普及委員会理事、月刊「ジャパン味噌プレス」編集長、みそソムリエ。アパレル販売員、読者モデルを経て、2011年「ミソガール」として味噌の普及活動を開始。みそまる考案。ミラノ万博や伊勢志摩サミット等イベントやメディア出演を通し、味噌の魅力を伝えている(2019年MISODOに改名)。『みそまる』(宝島社)、『手軽に作れて、キレイに効く! みそまる』(主婦と生活社)等著書多数。※サイトに掲載している記事は取材当時の情報のため、現在と内容が変わっている可能性がございます。