神奈川県中郡大磯町にある株式会社Shonan Soy Studioは、味噌を“削る”という斬新なアイデアを形にした調味料「みそぶし」を発売開始しました。先行して百貨店やレストランなどの飲食店向けに、10月からは一般顧客向けにも販売予定。まるでチーズのように振りかけて使える新感覚の味噌は、伝統と現代技術の融合によって生まれました。
伝統×モダン技術で実現した“削れる味噌”

使用している味噌は、170年以上の歴史を誇る小田原の老舗、加藤兵太郎商店の木桶仕込み味噌。味噌の水分を抜いて乾燥させるだけでは、削れるような固い固形物にすることは困難だったとか。そこで、Shonan Soy Studioの商品「ナットウジャーキー」や「発酵サラダふりかけ」を製造する際に得た技術を応用し、チーズのように削れる固形化が実現しました。
日本食ブームの欧米では、実は「味噌汁くらいしか活用法がわからない」「味噌は使いづらい」と言われ、家庭での味噌の普及はそれほど進んでいません。「みそぶし」が料理の表現力を広げ、粘度や保存性の課題を克服し、ビジュアル演出性にも優れた新たなスタイルの発酵調味料としての期待が高まっています。
料理の楽しさを広げる2タイプ

みそぶし 白
現在先行発売中。使用しているのは加藤兵太郎商店の「白みそ」。京都の白味噌のようなタイプではなく、3か月ほど熟成させた麹歩合7割の信州味噌で、加藤兵太郎商店では人気No1の食べやすい味噌です。クリームパスタや淡白な魚料理、白ワインとの相性が良く、チーズの代替としても期待が広がっています。
みそぶし 黒
2025年10月発売予定(ギフトボックス付きは11月予定)。使用しているのは加藤兵太郎商店の「神奈川ブレンド」で、神奈川県産の津久井在来大豆と米、ミネラル豊富な国産の高級塩「海の精あらしお」を使用した10割麹の味噌です。1年半~2年ほどの熟成によるうま味が豊富で、肉料理や赤ワインとの相性が抜群です。
Shonan Soy Studioで発酵ライフを

Shonan Soy Studioは、2019年に神奈川県中郡大磯町でスタートした発酵食品メーカー。さまざまな大豆発酵スナックや調味アイテムを、まるでファッションのようにテーブルに広げる “Fermented foods as table fashion” を掲げ、健康的でおしゃれな食卓のライフスタイルを応援しています。
「新発売の『みそぶし』は、2年以上の開発期間を経て完成した味噌ライフを広げる自信作。現在はイタリアンや和食などの料理人、百貨店向けに先行販売していますが、大磯のショールームでは一般の方へも店頭販売と試食のご用意があるので、ぜひ遊びにいらしてください」と代表の小野岡圭太さん。
【Shonan Soy Studio】
神奈川県中郡大磯町西小磯123
TEL/0463-79-8484
文/秋山昭代