「愛媛の麦みそ」の特徴は、大麦、はだか麦を原材料にふんだんに使っていること。「はだか麦」とは、大麦の一種で、表皮が剥がれやすいことから名づけられ、愛媛県が生産量日本一を誇っている。もともと麦みそは、農家の自家用につくられていたものが多く、別名「田舎みそ」とも呼ばれている。
麦みそと一口にいってもさまざまなテイストがあるが、中でも「愛媛の麦みそ」は塩分は控えめで、まろやかな風味と、甘みや香りのバランスがとれたやさしい味わいが特徴。みそ汁はもちろん、そのままディップで食べてもおいしい。食べ慣れていないと「これがみそ!?」と、その甘さに驚く人もいるが、ゴロッとした麦のつぶつぶ、香りがたまらない。食物繊維は白米の10 倍以上で、健康・美容意識の高い人にも人気がある。
「この麦みそが、愛媛の味を支えてきたといっても過言ではないが、食生活が変化し県内消費量は減少する一方で、廃業するメーカーも少なくない。みそ離れが進んでいる現状を受け、県と愛媛県醤油味噌協同組合は、愛媛の麦みその知名度向上のため、シンボルマークをつくり、付加価値の高い商品としてのブランド化を図ると決意した」と森秀夫理事長。
今春には、独自の品質基準をクリアした商品に添付し、国内外での消費拡大を目指す。ハートに麦を描いたデザインが、愛媛のおいしい麦みその証だ。昨年、マレーシアやスイスの展示会に麦みそを出展し、好評を博したほか、台湾のスーパーでも販売を開始するなど、海外展開も着々と進んでいる。今後の展開に目が離せない。