味噌桶が太鼓に変身!? 人とまちと歴史をつなぐ「味噌六太鼓プロジェクト」

徳川家康公生誕の地として知られる愛知県岡崎市は、八丁味噌や太鼓、花火など、多くの伝統産業が培われてきた地域でもあり、職人文化が根付いている。

「八丁味噌」の仕込み桶として100年以上使われ、廃棄となるはずであった木桶が味噌桶太鼓としてよみがえった。

三浦太鼓店六代目の三浦和也さん、 合資会社八丁味噌(カクキュー) の野村健治さんら地元有志が中心となり、「岡崎の新たな祭り文化を生み出そう」をテーマに、2017年に同プロジェクトを立ち上げた。

「仕事柄、全国各地の祭りに携わってきましたが、素晴らしい祭りに共通するのは、人々や先祖とのつながりを大切にしていること。皆で協力し、太鼓をつくり上げる感動を通じて、古きよき文化を、地元岡崎で後世につないでいきたい」と三浦さん。

太鼓に用いるのは、味噌桶の底板部分。底板は何トンもの味噌を支えられるよう、丈夫で良質な材料が使われている。長年、味噌を仕込み続けてきた桶には、しっかりと味噌の香りが残っていて、解体時、辺りは味噌の香りに包まれた。

太鼓づくりに集まったのは職人ではなく、趣旨に共感した地元住民。当然、太鼓づくりは初めての人ばかりだが、三浦さんの指導のもと、約半年かけて、第1号が完成し、「味噌六太鼓」と名付けられた。

太鼓づくりを通して祭りへの一体感も高まり、いよいよ迎えた「岡崎城下家康公夏まつり」。直径約2メートル、「天下の強運」として知られる家康公の「葵紋」が入った巨大な太鼓はひときわ目立ち、人々の注目の的に。

数百人の地元民によって担がれる姿は圧巻で、迫力のある太鼓の音色とともに、平和な社会の維持、地域の人々の幸せが祈願された。

「弊社では、江戸時代からの伝統製法(木桶仕込み)を大切にしています。長年活躍してくれた桶が、太鼓という形で生まれ変わり、人々や歴史をつなぐきっかけになってうれしい。また、味噌桶職人が激減し、桶業界の存続が危ぶまれている現状ですが、伝統文化への関心が高まる機会にもなれば」と野村さん。

現在、太鼓は3号目まで完成している。「味噌六太鼓」は、新しい岡崎市のシンボルとして定着、地域内外の祭りに出張するなど、広がりを見せ2020年1月には未来へつながる優れた地域づくり活動を表彰する「中部の未来創造大賞」で優秀賞を受賞している。今後開催される祭りの情報は、「味噌人会」のサイトを確認。

味噌人会(三浦太鼓店内)
岡崎市本宿町丸山腰30番地9
TEL/0564-64-6785

合資会社八丁味噌(カクキュー)
岡崎市八帖町字往還通69
TEL/0564-21-0151

株式会社ミソド代表取締役、一般社団法人みそまる普及委員会理事、月刊「ジャパン味噌プレス」編集長、みそソムリエ。アパレル販売員、読者モデルを経て、2011年「ミソガール」として味噌の普及活動を開始。みそまる考案。ミラノ万博や伊勢志摩サミット等イベントやメディア出演を通し、味噌の魅力を伝えている(2019年MISODOに改名)。『みそまる』(宝島社)、『手軽に作れて、キレイに効く! みそまる』(主婦と生活社)等著書多数。※サイトに掲載している記事は取材当時の情報のため、現在と内容が変わっている可能性がございます。