裏方だからこそ、ホンモノでありたい

「カクリキみそ」の名で愛される花角味噌醸造は、創業150 年を超える老舗の味噌蔵。もとは酒や酢の醸造元だったが、自家用の味噌がおいしいと評判になり、本格的に製造販売を始めた。豊かな自然、良質な水と穀物に恵まれる米沢は、昼夜の寒暖差が大きいため、味噌づくりには最適な場所。この地で伝統の味を守る一方で、時代に合った商品開発に意欲的。多彩な商品展開にも注目したい。味噌はあくまで「調味料」。裏方であり、引き立て役であることを前提に、飽きのこない味を追究し続ける「カクリキみそ」。「おいしい!と言われたら要注意」とは、先代から受け継いでいる言葉。

株式会社花角味噌醸造 代表 花角圭一さん

原料も工程もシンプルなだけに、細やかな気配りが求められる味噌づくり。原料や製法にこだわり、自然の流れの中でじっくりと時間をかけて熟成させる味噌は、ひと味もふた味も違う。「発酵食品は生きものだから均一につくるのは難しいが、その挑戦こそが発酵という世界の奥深さであり魅力でもあると思います」と花角さん。だが実際は、味が均一でないとクレームになることもあり、消費者にその理由、価値までをわかってもらうための努力も欠かせない。

おいしさの基準は人それぞれ。大切なのは理屈では証明できない感覚的なもの。たとえば子どもが汗をかいていたらちょっと塩気の強い味噌汁にする、疲れていたら甘めにするなど、母親の愛情のようなものがあってこそではないか。最近、危惧しているのは、若者や子どもたちの味覚がスナック菓子や化学調味料に慣れ、おかしくなっていること。味噌の味のわかる大人になってもらいたい。そんな願いを込め、「みそづくり講座」など地域の食育活動にも熱心に取り組んでいる。

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【花角味噌醸造】
山形県米沢市大町1-2-23
TEL/0238-23-0641

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