食育推進全国大会inふくしま「おいしい!楽しい!『食』で元気をチャージ

食育に関する理解と関心を深めることを目的に毎年開催される「食育推進全国大会」。11 回目となる今年は、6月11日・12日に郡山市のビッグパレットで行われた。シンポジウムは、「和食給食応援団」の設立者、西居豊さんによるコーディネートのもと、行政や食育に携わる人らがパネリストとして登壇し、これからの「食育」について活発な議論を繰り広げた。

主催:農林水産省、福島県、第11 回食育推進全国大会福島県実行委員会

◆櫻庭英悦氏◆
世界人口が70 億人を超え、さらに増え続けている現在。飽食の日本では、食品ロス(食べ残し)が問題になっています。家庭ではできるだけ顔が見えるものを食べ、食べ物を祖末にしないという大切なことを、子どもにきちんと伝えていくことが大事。月に一度でよいので、冷蔵庫の「埋蔵文化財」のような食品を総ざらいする日を設けてみてはどうでしょう。

◆柿沢安耶氏◆
フレンチや自然食などを学ぶ中で「もっと野菜の魅力を伝えたい」「おいしいだけでなく、食べた人が健康になれるお店をつくりたい」と、世界初の野菜スイーツ専門店「パティスリー ポタジエ」をオープン。今春から低糖質=ローカーボベジスイーツ専門店へと進化させました。食育では、小学校での食育セミナーや生産地での野菜づくりツアー、料理教室なども積極的に実施しています。子どもたちは知識を感覚で吸収するので、とにかく体験することが大切と感じています。また、食事を自分や家族とつくる「自炊力」をつけることが、自分の体や健康を守ることにつながります。スイーツや食育・農業体験を通して、人々の健康に貢献していきたいです。

◆設楽哲也氏◆
福島でキュウリやネギなどを生産しています。一方で「親子で笑っている福島」を目指し、さまざまな子ども支援活動(食農、キャリア教育等)、イクメン推進などを行う「NPO 法人OYAKODO ふくしま」の理事を務めています。教育現場で農業体験の機会を増やすことが必要だと思います。またこれからの時代は、農家自らが積極的に発信していくことが重要。農家は土や植物に正面から向き合う仕事。そのことを含め、伝えたい相手に合わせた言葉で、飾ることのないありのままの農作業の姿をリアルに、その意味とともに伝えていくこと。そうした活動で得たインプットがよりよい作物づくり、「農家」を憧れの職業にしていくことにつながっていくものと確信しています。

◆藤本智子◆
アパレル販売員時代、ひどい肌荒れに悩みましたが、みそを食べることで克服し、みそに開眼。特にこれからお母さんになる若い女性や子どもたちに、みそで健康になってもらいたいという思いで活動しています。手づくりの即席みそ汁「みそまる」は便利でおいしく、見た目がかわいいので、食に関心のない人たちにも訴求できる抜群のツール。みそまるワークショップでみそを触った子どもたちは、目を輝かせ愛おしそうにみそを丸めます。その姿を見ていると、直に触れ、五感で感じることの重要性をひしひしと感じます。みそを生活に取り入れて、国民の心と体が健康になれば、よりよい世の中になると思います。

◆コーディネーター・西居豊氏◆
パネリストの方々のお話から、「伝統と革新のせめぎ合い」とでも言いましょうか、既成概念にとらわれない発想で食を伝えることの面白さ。体験に勝るきっかけはないということがわかりました。多くの人は、体に変化があったときに「食」を見直します。毎日の食生活をすぐには変えられないので、半歩の歩み寄りから始めてはどうでしょう。異なる立ち位置、視点でのアプローチをされている皆さんですが、自ら楽しみながら食の重要性を伝えている点は共通しています。このような取り組みの積み重ねが、よりよい食と、農業へのより深い理解につながっていくのだと思います。また食育とは、教育現場だけですることではなく、むしろ家庭で親から子へと伝えていくことが大事。そこをどうすればよいのか。改めて考えていきたいと思います。

Panelists, people who work in foodrelated industries, discussed the future of food education at a symposium held at the 11th ShokuikuSuishin Zenkoku Taikai in Fukushima, an annual event aimed to obtain a better understanding and increase interest in food education.

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