味噌、酢、砂糖のみ!あと一品欲しいときに重宝する「ぬた」

「ぬた」は、ねぎやこんにゃく、山菜、魚介類などを「酢味噌」で和えたもの。味噌のどろりとした感じが沼田(泥濘)に 似ていたため、この名がついたとされています。

ぬたは、白味噌、酢、砂糖をよく混ぜ合わせて、食材と和えるだけで完成。あと一品欲しい!というときにすぐにできて重宝するアイテムです。白味噌のコクと甘味に、爽やかな酢の酸味が加わり、魚介類や野菜がおいしく頂けます。覚えておくと便利な基本の配合、おすすめの味噌、酢味噌がおいしいワケなどを紹介します。

ぬたの基本の配合

基本の配合は、味噌2:酢1:砂糖1。分量は、和える食材によって調整してください。よりマイルドに仕上げたい場合は、酒かみりんを少々加え、弱火で練り上げるとよいでしょう。お好みでからしやレモン、ごまなどを加えると、さまざまな味わいにアレンジできます。

食材を和える際は、水分が出てしまうので食べる直前に和えるのがおすすめです。

ぬたにおすすめの味噌

ぬたに使用されることの多い「白味噌」は、上質な米を大豆の約2倍使い、低塩で甘口に仕上げたもの。一般的な味噌に比べ、塩分は半分程度の超甘口で、関西白味噌(西京味噌が有名)、府中味噌、讃岐味噌などがあります。味噌汁用ではなく味噌漬けやぬた、スイーツなど調味料として使われるのが一般的です。

その他の味噌でもOKですが、その場合は味わいが大きく異なりますので、酢や砂糖の量を調整してください。

酢味噌がおいしいワケは、緩衝能も一役⁉

「緩衝能」とは、本来のpHを保持する能力のこと。例えば、水に酸・アルカリを添加するとpHが変化しますが、味噌汁では変化が少ないのです。味噌の緩衝能には、味噌に含まれる有機酸、アミノ酸類、たんぱく質等が関与しているとされています。味噌汁に具材を入れてもpH変動は少なく、「酢味噌」の場合は、酸味が和らぎます。

万葉集にも登場する酢味噌

日本最古の歌集『万葉集』の中に、味噌の前身である「醤」を取り上げた歌が2首あり、その1つが「醤酢に 蒜つきかてて 鯛願う 吾にな見せそ 水葱の羹」。当時、ノビルを酢味噌で和え、タイの刺身も味噌和えで食べていたことが読み取れます。

古くから気の利いた副菜として愛されてきたぬたは、手軽に作れて万能な一品。好きな食材でアレンジして作ってみてください。

参考
『みそ文化誌』(発行/全国味噌工業協同組合連合会)
『味噌と醤油 : 発酵と醸造 : 製造管理と分析』(発行/朝倉書店、著/東和男)

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