「SALON85」は、“発酵を楽しむ、これからの食を考える”をテーマに、新潟県の発酵にかかわる企業が集まり展開するライフスタイル型プロジェクト。新潟市などが行っている「おいしさDX」、地元の飲食店や料理家とも連携し、多角的なアプローチを展開しています。県内の味噌蔵が集まり推進している「クラフトみそプロジェクト」について、お話を伺いました。
【参画蔵元】
百川味噌、⼭⽥醸造、渋⾕商店、越後⼀、町⽥醤油味噌醸造場
「おいしさDX」で味噌の個性を可視化

「おいしさDX」とは、新潟市などが展開している産学官共創プロジェクト。食のおいしさを“科学”して“見える化”することで、地域の食文化に新たな価値を創出し、持続可能な好循環を生み出そうという取り組みです。食とテクノロジーの融合を、食品開発や観光、地域ブランドづくりに活かされています。
新潟大学協力のもと、味覚センサーを用いて味噌の味わいを分析し、甘味・旨味・苦味などのバランスを可視化し「クラフト味噌」として紹介。同じ越後味噌といえども、蔵元により風味は様々。味わいの特徴をチャートで表し、味噌の個性を直感的に伝えるのがねらい。味噌を選ぶ楽しさも広がります。
危機感から始まった味噌蔵の連携

国内消費量の減少や原料高騰、後継者不在など、近年、味噌業界には様々な課題が顕在化しています。こうした状況のなか、地域の味噌蔵が連携し、味噌をフックに未来の⾷を考え新しい需要の創出を目指しています。
新潟大学の学生に講義やワークショップをしたり、学生たちと味噌の新しい楽しみ方を追求したりと積極的に活動されています。多くの学生が日常的に味噌汁を飲んでいない現状でしたが、来年もやりたいと興味を持ってくれたようです。
写真:山田醸造 六代目 山田弥一郎さん
味噌ファン必食!地元飲食店とのコラボメニュー

地元出身の料理家・フードコーディネーターの甲斐優美さんの協力を得て、味噌の個性を生かしたレシピ開発にも取り組んでいます。様々なジャンルの飲食店や菓子メーカーにレシピを提供し、県外から訪れる人も手軽に楽しんでもらっています。
熟成みその酸味香る“新潟肉みそソース”

熟成が深い味噌「MOMOKAWA SOUR」のコクと酸味を活かした万能ソース。味噌の酸味と油は相性がよく、油揚げや素焼きの長ネギなどと楽しむのがおすすめです。
旨み光る“新潟みそバーニャカウダソース”

旨みを強く感じる味噌「MACHIDA UMAMI」の風味を活かすため、アンチョビやにんにくの使用を最小限に抑えた一品。様々な食材と相性抜群です。
フレッシュな“新潟みそチーズソース”

フレッシュな香りが広がる味噌「ECHIGOICHI FRESH FLAVOR」を使用。発酵×発酵の掛け合わせで、温野菜と相性抜群のディップソースです。
深い香りを楽しむ“新潟蕎麦みそダレ”

味のバランスに秀で、深い香りが特徴の味噌「YAMADA DEEP FLAVOR」を使用。日本最古の蕎麦つゆ「煮貫」に神楽南蛮味噌を足すことで、食べやすく現代風にアレンジした一品。
味噌ダレをつかった、”新潟みそカツ”

麹比率が高く、甘みと独特の粒感が特徴の味噌「SHIBUYA SWEET」を使用。味噌ダレを片面に塗っていて麹の甘みと軽やかな味わいを楽しめる新名物。定食や丼ものだけでなく、酒の肴としてもよく合います。
スィートな甘口みそをつかったピッツァ

新潟県産の豊富な野菜を使ったピッツァは、「トラットリア ノラクチーナ」の看板メニュー。コラボメニューでは、甘みが豊かな味噌 「SHIBUYA SWEET」を採用。贅沢な麹の甘みと、ピッツァの生地の上で焦げた味噌の香ばしい香りが特徴です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
味噌をフックに新たな価値の創出を

「味噌の魅力は、まだまだ伝えきれていない部分が多いと感じています。味噌の個性を見える化することで、より分かりやすく伝えられるはずです。料理やお酒とのペアリングなども含めて、新潟の食の魅力として広がっていけばうれしいです。県外の方々に新潟へ行きたいと思う理由を創るべく、新たな名物品づくりを目指しています」と語る、山田醸造の六代目 山田弥一郎さん。
同プロジェクトのプロデュースを手がけるネルニードの遠藤智弥社長は、「新潟市には、食に関わる多様な産業がありますので、観光や地域経済の活性化につながる価値創出を目指したい。個性のある味噌や周辺産業の可能性は大きいと感じています。味噌の新しい未来をつくるお手伝いができたら」と語ります。
新潟県は、言わずと知れた米どころであり醸造文化も盛んな土地。都心からも上越新幹線でわずか2時間弱。五感を満たすおいしい味噌料理を食しに、新潟の街へでかけてみませんか。
文/秋山昭代
