遠州名物!昔ながらのやさしい味わい。春華堂「田舎みそまん」

浜松を代表する老舗の菓子屋・春華堂は、「浜名湖名産・夜のお菓子 うなぎパイ」をはじめとしたさまざまな和洋菓子を取り扱っています。同社の和菓子部門を代表する商品が「田舎みそまん」。天然醸造で3年以上熟成した味噌を練り込んだふかふかの饅頭は、昔ながらの素朴な味わいで長年愛されています。

「田舎みそまん」の誕生秘話

「みそまん」は、静岡県西部・遠州地方の郷土菓子で、鎌倉時代に茶道の発展と共に広まったとされています。遠州地方はその昔、サトウキビの栽培が盛んだったため、饅頭に黒糖が使われるようになりました。茶色い皮の色から「茶まんじゅう」と呼ばれていましたが、茶席の客人が「味噌のような色だ」と言ったことから、いつの間にか「みそまん」と呼ばれるようになったとか。

つまり、本来のみそまんは味噌を使用しない黒糖饅頭が主流だったのです。そこで春華堂は独創性を求め、1996年にその名の通り味噌を使った饅頭として製造を開始。天然醸造・手づくりにこだわる地元の「しきじ旬の郷」の田舎味噌を皮の生地に練り込んであります。

春華堂の3種のみそまん

春華堂のみそまんは、皮にポツポツと穴が空いていて、生地に練り込んであるザラメが溶けることで、生地にふかふか食感が生まれます。あんには北海道産の小豆を使用し、熟練の職人が微妙な火加減でじっくりと炊き上げることで、ふくよかな香りに仕上げています。

定番の「田舎みそまん」の他に、歴史ドラマの放映にちなみ「箱根路みそまん」「八丁みそまん」が販売されています。味噌やあんこの違いによって、味、風味に地域の特色の違いを楽しむことができます。

箱根路みそまん

小田原市にある「加藤兵太郎商店」の熟成米味噌「いいちみそ」を使用し、中身は粒あん。北条義時ゆかりの地・箱根路や、北条家の家紋“三つ鱗”をイメージしてつくられた限定パッケージです。

八丁みそまん

岡崎市にある「カクキュー八丁味噌」の八丁味噌を使用した、濃厚な風味とコクが特徴。限定パッケージには、徳川家の家紋“三つ葉葵”、家康が好んだ鷹、家康生誕の地である岡崎城などが描かれています。

若い世代にゆるふわパッケージが人気に!

「八丁みそまん」には、家康公のひげで“八丁”を表現したキャラクターを採用。ピンク色のかわいらしいパッケージが目印です。

「従来のイメージを壊さずに新しい表現をするには、かなりのチャレンジとなりましたが、若い方やお土産にと好評で、結果売り上げが2倍にアップしました。今後地元産の味噌だけでなく、全国の味噌を使った『みそまん』をプロデュースしていきたいと考えています」と広報室の高橋睦美さんと企画室の雪島知佳さん。 みそまんは、春華堂の各店舗の他、ECサイトでも購入できます。

【春華堂本店】
静岡県浜松市中区鍛冶町321-10
TEL/053-453-7100

文/秋山昭代

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