DJみそしるとMCごはんさん「おいしいものは人類の奇跡だ!」

NHK Eテレの「ごちそんぐDJ」への出演や、絵本の出版など幅広い年代の方から人気があるDJみそしるとMCごはんさん。女子栄養大学の卒業研究として制作したオリジナル楽曲が関係者の目に留まり、メジャーデビューを果たすというシンデレラストーリーの持ち主です。デビュー10周年を機に所属事務所から独立。イベントやライブ出演、執筆活動をしながら子育てに奮闘している近況をお伺いしました。

聞き手/秋山昭代

【DJみそしるとMCごはんさんプロフィール】
1989年生まれ、静岡県出身。くいしんぼうラッパー。作詞や作曲、絵本、動画などを自ら制作し、ライブ活動やイベント、テレビ等のメディア出演など多方面で活躍。1児の母。

レシピをラップで表現することにした経緯は?

大学3年生の8月頃にゼミで卒業研究のテーマを決めるにあたり、当時はまっていたヒップホップからヒントを得て、ラップでレシピを表現することにしたのが始まりです。料理にはレシピが大切だけど、本やスマホを見ながらだと煩わしいので、作り方を歌にしたらもっと楽しく、歌いながら気楽に料理をすることができるのではないかと考えたのです。小さい頃から音楽は身近で、学生時代は吹奏楽部に所属しバンド活動もしていたので、音楽で表現しようと思ったのは自然な流れでした。

テーマとやることが決まった後は、独学で曲を作り始めましたが、当時は韻も踏めず苦労しました。毎週ゼミ生や教授にアドバイスをもらい、音楽と同時に映像の撮影や編集も行って、8曲入ったミニアルバム「Mother’s Food」として完成させました。

メジャーデビューについて教えてください。

その後YouTubeに投稿した「Mother’s Food」が芸能関係者の目に留まり、メジャーデビューすることになりました。卒業して就職した企業は1年で辞めることになりましたが、大きなチャンスをいただけたことは運が良かったと思っています。人前で歌うことは苦手で引っ込み思案だった私がデビューすることになるとは考えもしなかったのですが、家族の応援があったこともあり、ダメ元でやってみようと思いました。

名前の由来は、ヒップホップは“DJとMC”、料理では“ごはんと味噌汁”がそれぞれ大事なものだと思い、それらを組み合わせた形ですが、結果ブレずに活動してこられたのでこの名前にして大正解だったと自負しています。また、ラップは言葉数が多いので、レシピだけでなく料理をするときの気持ちや大変な部分も盛り込むことができ、料理の楽しさを伝えることに適してると思っています。食べ物は無限にあるので題材には困ることがなかったです。

独立・出産してからの近況を教えてください。

昨年末に男の子を出産し、今年3月に所属事務所から独立しました。今まではマネージャーさんがスケジュールの管理や現場への移動など、あらゆることをサポートしてくれていましたが、独立してからは全て自分でやらなければならず、まだ手探り状態です。逆に言うと全てが新鮮で、自分で直接やり取りできることは楽しみでもあります。

産後半年頃が一番大変でしたが、息子が保育園に入園し少しずつ落ち着いてきました。家族や友人たち、一緒にお仕事させていただいている方々に協力してもらいながら、なんとかやっている現状です。大変な時もありますが、仕事もお母さん業もどちらも楽しみたいと思っています。

最後に一言お願いします。

今は雑誌やWEBへの連載やワークショプやライブへの出演など、少しずつ活動を再開しています。9月10日に開催されたモロコシ祭では、食品衛生責任者の資格を取得し『ジャスタジスイ食堂』を初出店しました。

子どもを産んで独立してからは、のんびり楽しく料理をする時間も取れなかったのですが、時短レシピやアイテムのありがたみを痛感しています。最近では、子どもに離乳食を作るようになったらそういう歌も作れるなとか、子どもがのれる歌を作りたいな、などと想像を膨らませています。

特に子育てや仕事で忙しい時、味噌汁を作るのさえ大変な時があると思うんです。そんな時に肩の力が抜けて、料理を楽しんでもらえるような活動を続けていきたいと思うので、楽しみにしていてください。良いペースが掴めるようになるまで、ゆっくりと見守っていただけたら幸いです!

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