毎日鉄分を補える「今日を元気にするお味噌汁パン」

大阪市八尾市にある藤田金属は、ありそうでなかった味噌汁専用の鉄鍋「今日を元気にするお味噌汁パン(以下、味噌汁パン)」を開発しました。クラウドファンディングのMakuakeで先行予約を受付し、目標予約金額の4890%を達成し話題となっています。(※Makuake終了時)

鉄器から鉄分を摂取していた昔の知恵に着目!

鉄瓶や鉄器などから鉄分を摂取していた昔の知恵に着目し、味噌汁に特化した鍋を開発。現代女性は月経に加え、ライフスタイルや食生活の変化により慢性的な鉄分不足だと言われています。毎日の味噌汁で、無理なく鉄分を継続して補給できる逸品です。

オススメポイントは、今までのイメージを一新したデザイン性と持ちやすさにこだわった取っ手、お手入れがしやすいことです。毎日使うものだから出しっぱなしにしていてもインテリアになるデザイン性を追求し、鉄のストイックさと木の取っ手の優しさで絶妙なバランスを実現しました。

実際にどれくらい鉄分が摂れるのか?

専門の業者に依頼して、一般的なガラス鍋と鉄分量を比較する実験を行いました。600mlの水に60gの味噌を溶き入れ(お椀4杯分想定)​沸騰後5分加熱し120分放置​したところ、​ガラス鍋は1mg、味噌汁パンは40mgでした。つまりガラス鍋に比べ、味噌汁パンだと39mg多く鉄分が溶け出すことが分かりました。お味噌汁1杯分にすると約9.7mgで、これは鉄分が不足する月経時における1日の摂取推奨量の90%以上に当たるそうです。​​​​​

また、実験では鉄分量の多さだけではなく抽出鉄分のうち約25%が二価鉄という結果が出ました。二価鉄(ヘム鉄)は三価鉄(非ヘム鉄)よりも体内に吸収されやすい形なので、味噌汁パンではより効果的に鉄分を摂取することが期待できます。

父と3兄弟で営む町工場で革新的なものづくりを可能に

藤田金属は、父の藤田俊介さんが会長、長男の盛一郎さんが取締役社長として全体の指揮と企画・営業を、次男の信二郎さんがヘラ絞りという製造工程を、三男の幸三郎さんが金型製造を担当。

金属加工にかかわらず日本のものづくりの現場は、分業体制が一般的です。藤田金属では金型製造から製品加工、販売まで全ての工程を一貫して行っている家族経営の町工場です。

大阪の町工場から世界へ!

2021年には工場を改装。工場の製造の様子を見学でき、実際に触れてその場で購入ができる、直販ショップをオープンしました。パリやフランクフルトの展示会は2020年と2023年に出展し、2024年2025年にも出展を予定しており世界に向けての展開も少しずつ進めています。

「鉄製品は長く使えるサステナブルな商品です。味噌汁パンで鉄分を補給して毎日元気に過ごしてもらえたら」と取締役社長の藤田盛一郎さん。

商品は工場に併設された直販ショップの他、ECサイトでも購入できます。

文/秋山昭代

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