沖縄県那覇市にある「浮島ガーデン」は、島野菜や五穀を使った料理が地元の人々や観光客に人気のヴィーガンレストランです。
同店で販売している島豆腐のおからでつくった味噌床「MISODOKO」は、お土産にも人気の商品。
豆腐をつくる際にできるおからは、産業廃棄物として多くが廃棄されている現状ですが、そのおからをおいしくアップサイクルすることで、豆腐業者の廃棄負担軽減や食品ロス削減にも繋がります。
おから味噌床「MISODOKO」とは
「MISODOKO」は、大豆の代わりにおからを使って仕込まれた味噌で、野菜を一晩漬けておくだけで、簡単においしい味噌漬けができます。
ぬか床のように漬けた後に洗う必要もなく、さっと味噌を取り除いて刻むだけで立派な一品に! 冷蔵庫の余り野菜も有効活用できます。
物にもよりますが、10回ほど漬けると野菜の水気が出て味噌が柔らかくなるため、最後は味噌汁や煮物などへ。味噌床もきれいに食べ切れるため、無駄がありません。
こだわりは、上質な国産原料
おからでつくる味噌は、大豆を洗ったり、浸水させたりする必要がないため、通常の味噌よりも短時間で製造できますが、一つひとつ丁寧に手づくりされています。現在は、3人体制で毎週100kgほどのおから味噌を仕込んでいるとのこと。
おからは、九州産大豆を使用した島豆腐を製造する永吉豆腐加工所から仕入れ、沖縄県産の有機玄米を使用した麹と、自然海塩の「粟国の塩」と共に仕込まれます。
「MISODOKO」誕生ストーリー
「当店の人気メニューに『島豆腐のベジタコライス』がありますが、たくさんの島豆腐を使います。つまり、大量のおからを廃棄していることに気づきました。そこで、数年前からおから味噌を仕込み、レストランで使用していましたが、栄養満点なおからを有効活用し、毎日食べられるものに変えたい!という思いから、新規事業として『MISODOKO』の製造・販売を始めました」と、浮島ガーデン代表の中曽根直子さん(写真手前右)。
同店では、定期的にワークショップを開催して、おから味噌のつくり方も伝えています。
SDGsや食品ロス削減にも
島豆腐は、チャンプルーなどに使われ、沖縄県民にとって欠かせないソウルフード。しかし、その一方で島豆腐をつくる過程で出るおからの多くが、産業廃棄物として捨てられている現状です。
「MISODOKO」は、発酵食品や腸活、SDGs、食品ロス削減など、現代のニーズに合致している商品として、メディアにも多く取り上げられています。先日幕張メッセで開催されたスーパーマーケット・トレードショーでも、好評を博しました。
首里城カラーの朱色のパッケージが目印。商品には、味噌漬けのつくり方や、おから味噌を使用したレシピなどが掲載された手引書も付いていて、初めての方でも安心です。
「MISODOKO」は、浮島ガーデンの店舗やECサイトで購入可能です。
【浮島ガーデン】
沖縄県那覇市松尾2-12-3
TEL/098-943-2100
文/秋山昭代