離陸時の緊張感から解放され、しばらくすると待ちに待った機内食の時間が訪れる。ANAでは、旬の食材を使用した期間限定メニューを提供するなど、さまざまなアイデアと企画で搭乗者をもてなしている。
2020年2月の限定メニュー(欧米路線※、日本発のエコノミークラス)として登場するのが、「東京江戸味噌チキンカレー」だ。ANAオリジナルカレーソースをベースに、江戸甘味噌を隠し味に加えたもので、ほのかに香る味噌風味が郷愁をそそる。
江戸甘味噌とは、大豆の旨味と麹の甘みが見事に調和したツヤのある茶褐色の味噌で、東海豆味噌の旨味と関西白味噌の上品さを兼ね備えているのが特徴だ。
「トッピングにバターを加えることで、カレー、味噌、バターの三重奏の旨味が楽しめる風味に仕上げています。メインのお肉には相性の良いチキンをチョイスしました」と成毛 元シェフ。
ごはんには、鉄分、必須アミノ酸、必須脂肪酸などが豊富に含まれる「テフ」を加え、香ばしさを強調。食事が乱れがちな海外旅行で、栄養面もカバーできる一品だ。
エコノミークラスの機内食は製造食数が多いため、メニュー開始から終了まで安定して入手できる食材を探すのが悩み。そんな中、東京オリンピックの開催を前に東京の食材を探していたところ、江戸甘味噌にたどり着いた。カレーのベースソースと相性が抜群で、供給量もクリアできたためメニュー化が実現した。
ANAでは、毎年、「お客様と共に創る機内食」をテーマに、エコノミークラスの機内食をユーザー投票で決定する「ANA機内食総選挙」を開催している。今後の味噌メニューの登場に期待したい。
※一部路線を除く。