お好きな具材をひと鍋に「味噌ちゃんこ鍋」
お相撲さんが食べる料理を総称して「ちゃんこ」といいます。その中でも、「ちゃんこ鍋」とは、相撲部屋において、日常的に食されている鍋料理のことを指します。語源は「ちゃん」はお父ちゃんで親方、「こ」は弟子を表しているという説や、中国から伝来した鉄鍋「チャンクォ」に由来する説など、諸説あります。
力士は、通常昼と晩の 2 食で、鍋はたいていお昼に食べます。具材に決まりはないため、さまざまな食材が使われますが、相撲部屋で食べられているのはシンプルなものが多く、肉と魚介類が一緒に入ることはまずありません。スープの味付けは、塩や味噌、醤油などさまざまですが、肉団子の隠し味に味噌を入れると最高です。肉や魚介類などさまざまな具材が入った専門店風の「ちゃんこ鍋」もいいけれど、自宅でつくる場合は、豚肉と白菜だけとかでもシンプルにおいしいです。
本家の相撲部屋風にするなら、砂糖を加えて「甘め」にするのがポイントです。これはどこの相撲部屋にも共通することですが、力士は多くのエネルギーを消費するため、糖分を欲するからかもしれません。
箸が止まらないスタミナ食「力士味噌」
「力士味噌」は、味噌ににんにくやみりん、砂糖などを入れて練り上げてつくる「にんにく味噌」(おかず味噌)のことで、力士の必須アイテムです。力士は、たくさん食べて体を大きくしなくては強くなれませんので、「食べること」も仕事です。食欲の落ちる夏場も、「力士味噌」さえあれば、いくらでもごはんがおいしく食べられました。
巡業で地方を回る際も、慣れないところで食事をつくるのは一苦労。でも、「力士味噌」があれば、ごはんだけ準備すれば立派な食事になるのです。満足度も高く、味噌の栄養価に加えてにんにくが加わった、最高のスタミナ食です。自宅に常備しておけば、忙しいお母さんのお助けアイテムになるでしょう(笑)。
力士味噌は各部屋ごとに秘伝のレシピが受け継がれていて、にんにくがゴロッと入ったものから細かく刻んだもの、ひき肉入りなど、さまざまな味わいがあります。「にんにく味噌」は、自宅でもつくれますが、相撲部屋の味を再現した商品も多く販売されています。ごはんが止まらなくなりますので、要注意です。