「近大マグロ®」とは、2002年に近畿大学が世界で初めて完全養殖に成功したクロマグロのことで、近畿大学と豊田通商が、卵から人工ふ化して成魚まで一貫して生産しています。
水産養殖のパイオニアとして知られる近畿大学は、近大マグロの他にもマダイ、シマアジ、カンパチなどさまざまな魚種で完全養殖に成功しています。
「完全養殖」とは、天然資源に頼らず全てのプロセスを人工で育てることが可能になるため、持続可能な養殖業を確立するのに不可欠な技術です。
「近大マグロ中骨エキス入りあおさのみそ汁」は、株式会社アーマリン近大が運営する養殖魚専門料理店「近畿大学水産研究所はなれ」で提供されている味噌汁を、お土産用に商品化したものです。
近大マグロ中骨エキス入りあおさのみそ汁
近大マグロは、頭からしっぽまで食べられていて、皮は財布やキーケースにも活用されてきましたが、唯一の未利用資源であったのが中骨。
「近大マグロ中骨エキス入りあおさのみそ汁」は、近大マグロの中骨を圧力釜でじっくり煮だし、丁寧に出汁を引いた風味豊かなエキスを使用。近大マグロの出汁が豆味噌とよく合い、あおさがアクセントになっています。
フリーズドライのため、お湯を注ぐだけであっという間にお味噌汁が完成。近大マグロの風味を、自宅で手軽に楽しめる一品です。
アーマリン近大が運営する養殖魚専門料理店「近畿大学水産研究所」
アーマリン近大は、近畿大学発のベンチャー企業。近畿大学独自の水産養殖技術による「卵から成魚までの一貫した管理体制」とストレスフリーな環境で育てた優良な魚を販売しています。
また、銀座と大阪にある「近畿大学水産研究所」は、近畿大学が研究し育てた安心安全、おいしい養殖魚を広く味わってほしい、という思いから誕生した養殖魚専門料理店。
3店舗目となる「近畿大学水産研究所はなれ」は、東京駅にある「グランスタ東京」に2020年8月オープン。これまでの2店舗とは異なり、近畿大学が生産した完全養殖の稚魚を、日本各地の養殖業者が育成した「近大生まれの魚」を中心に提供されています。
味噌汁をおしゃれで手に取りやすく!産学連携商品「ミソット」
近大マグロ中骨エキス入りの「ミソット」は、イタリア料理のリゾットを連想させるようなフリーズドライの洋風雑炊です。
アーマリン近大は、「近大マグロ中骨エキス入りあおさのみそ汁」の拡販のため、味噌汁を活用した新たな商品開発を、近畿大学経営学部で開催されたビジネスプランコンテストの課題として提示。
結果、経営学部商学科の当時3年生の女子生徒4人が企画した「ミソット」が優秀賞を受賞し、商品化されました。和のイメージが強い味噌汁ですが、若者が気軽においしく食べられて、おしゃれで手に取りやすくする、というコンセプトをもとに考案。
文芸学部芸術学科専攻の学生がパッケージをデザインし、農学部が育てた「金賞健康米」を使用するなど、近畿大学の研究結果の集大成となっています。
※「ミソット」は、好評につきほぼ売り切れている状況で、再販予定は未定。
おいしく食べてSDGsの一環にも
「近畿大学水産研究所はなれ」で提供されている「近大紅白手桶寿司」やその他のメニューにも、「近大マグロ中骨エキス入りあおさのみそ汁」が付いています。
同商品は、完全養殖かつ資源利用・保護も実現していることから、SDGsの一環にも繋がっています。
店頭では、名刺サイズの「SDGs活動証明書」が食事に添えられ、おいしく食べてもらうだけでなく、一緒にSDGsについて考えてもらえるよう工夫がされています。
「アーマリン近大では、『近大マグロ中骨エキス入りあおさのみそ汁』の他にも、近畿大学の研究成果を反映させたおいしい商品や面白いグッズがたくさんあります。また、近畿大学水産研究所の店舗では、安心安全でおいしい近大生まれの魚たちを提供していますので、ぜひ食べにいらしてください!」と同社の佳和輝さん。
「近大マグロ中骨エキス入りあおさのみそ汁」は、「近畿大学水産研究所」ほか、アーマリン近大ECサイトで購入可能です。
文/秋山昭代