新潟県にある老舗のみそ蔵、渋谷商店の渋谷亮さんは大学卒業後、他県のみそメーカーで1 年間修行した後、渋谷商店に入社。今年100 歳を迎える渋谷勇社長(祖父)のもと、主にみそや加工品の製造を担当している。
一方では昨年7 月に、みその普及啓蒙活動をしようと一念発起。「SHIBUMMY(シブミ―)」を立ち上げ、「みそ活」に奔走する日々だ。活動はすべて手弁当。だが志は大きく、「新潟から食文化を変える、再生させること」。また「本物の出汁やみそ汁、粗食の文化を再生し、世界に発信すること」が狙い。当面の目標は「日本文化の理解も深いパリへ!」という。
幼い頃からみそに慣れ親しんできた亮さんだが、みその良さを改めて実感したのはおよそ10 年前、40℃の熱を出したときのこと。何も食べられず、一気に体重が5、6kg 落ちた。その後、舌の味がとても敏感になり、ほんの少しの量でも、みそやしょうゆの味わいを敏感に察するようになった。以来、味の濃い外食や化学調味料の味を受け付けなくなり、粗食のありがたさを実感している。
とはいえ、食に関心のない人に伝えるのは難しく、そこで思いついたのが、コーヒーのドリップ方式で温めた昆布水を注ぎ鰹節からダシをひくパフォーマンス(写真)。やってみると、「これがみそ汁なの?なるほど!」と好評で、現在はイベント出展など積極的に活動中。
「ひと手間かかるので家庭でやるには改良が必要だが、お客様の惹きの強さには手応えを感じている。みそや粗食に興味を持ってもらう入口になれば」と話す渋谷さん。「今年はどんどんイベントにも出て、情報も発信していきたい」と熱い!