南島原名物「みそ五郎そうめん」は、長崎県南島原市のそうめん料理専門店「面喰い」で食べることができます。南島原市では、家庭でも味噌汁にそうめんを入れて食べることが多いことから、店を開業した当初から町おこしの一環で「みそ五郎そうめん」を開発。地元の方をはじめ、県外の方にも人気メニューとなっています。
伝説の巨人の名を冠した「みそ五郎そうめん」
「みそ五郎そうめん」は、鶏ガラと野菜をメインとし、昆布や煮干し、削り節などから引いただしを使用。地元の味噌屋から仕入れた赤味噌と、自家製の麦味噌を独自の配合でブレンドした合わせ味噌で味付けし、鶏肉や玉ねぎ、にんじん、ごぼう、白菜、もやし、エノキ、かまぼこ等の具材を煮込んで温かいそうめんに乗せたもの。
南島原市が舞台のオリジナルドラマ「転生みそ五郎どん」のロケの際には、「みそ五郎まつり」を再現し、出演者やエキストラ50人もの方たちに「みそ五郎そうめん」を届けたそうです。「町のシンボルであるみそ五郎どんにとても愛着があり、演じているケンドーコバヤシさんは、そのイメージにぴったりの方でした」と社長の松本満智子さん。
もちもちツルツルの島原手延べそうめん
播州そうめんに次いで、全国2位の生産量である島原手延べそうめんは、熟練の技と経験が生み出した逸品です。もちもちとした食感とツルリとしたのど越し、煮くずれしにくいコシの強さが特徴。何度も手作業で“熟成”と“延ばし”を繰り返し、少しずつ糸のような細さまで引き伸ばしていくため、小麦粉のグルテンが絡み合って独特の食感を生み出しています。
そうめんは、出来上がってからすぐに食べるよりも、半年ほど寝かせることでコシが出るとか。寒い時期につくったそうめんを半年寝かせて、夏に食べるのがベストな状態。店で使用するそうめんも、すべて半年寝かせてから提供しているそうです。
南島原唯一のそうめん専門店「麺商 須川・面喰い」
「面喰い」を経営する「麺商 須川」がある南島原市西有家町では、本町須川地区を中心におよそ350軒の製麺所があります。しかし、そうめんが食べられるお店が地元に一つもなかったため、創業者である松本洋三さんが、平成元年に全く違う業種から飲食店を開業することに。開業当初からの名物料理「みそ五郎そうめん」をはじめ、30種類もの温冷メニューを提供しています。
【麺商 須川・面喰い】
長崎県南島原市西有家町里坊93-1
TEL/0957-82-0848
文/秋山昭代