「金婚漬」とは、ウリの中に、にんじんやごぼう、昆布がぎゅっと詰まった漬物。漬物床の中で長期間熟成させ、時が経てば経つほどにいい味が出てくることから「金婚式」を迎える夫婦になぞらえて名付けられ、岩手・花巻の縁起物として知られている。
かつて農家が自家製みそをつくる際、みそを仕込む樽底に野菜を漬込んで熟成させたことが始まりとされ、江戸時代の終わり頃からつくられているという。にんじん、ごぼう、しその葉を昆布で巻き、種をくり抜いて塩漬けしたうりの中に入れ、じっくりとみそ漬けにする。みその種類はお好みで何でもOK だが、麹の量が多い甘口みそだと、まろやかでマイルドな風味に仕上がる。数か月~半年をかけてしっかり味を染み込ませるので、酒の肴としては最高。刻んでお茶漬けやおにぎりの具にする人も多い。輪切りにすると、にんじんの鮮やかさがひと際目を引き、めでたさを演出。金婚式にはもちろん、家族の祝い事にもふさわしいメニューだ。贈り物にもどうぞ。