美噌元・横井伸仁さん「ストレスフルな時代だからこそ、味噌汁をもっと楽しんでもらいたい」

ホッとする表情の「美噌汁最中」で知られる「美噌元」は、株式会社諸国美味が運営する味噌汁専門店。全国各地の百貨店や東京・丸の内にあるKITTE GRANCHE(現在は閉店)に出店するなど精力的に展開、斬新なアイデアで生まれた多彩な商品で味噌ファンを魅了してきました。

現在は、自由が丘に本店を構え、その他、二子玉川 東急フードショー、ラゾーナ川崎プラザ、阪神梅田本店にて直営店を運営。代表の横井伸仁さんにお話を伺いました。

聞き手/秋山昭代

【横井伸仁さんプロフィール】
1977年生まれ、兵庫県出身。大学卒業後、IT系コンサルティング会社に就職。退職後、家業のグループ会社であった徳島横井林業有限会社(現在の株式会社諸国美味)の新規事業として、2005年に母親の横井愛子さんと共に「美噌元」を立ち上げ、現在代表を務める。

諸国美味について教えてください。

味噌汁専門店「美噌元」や古酒・熟成酒専門店「酒茶論」の運営等を行っている会社です。

当社の歴史をさかのぼると、江戸時代末期に廻船問屋として巨船をつくり、徳島藩の荷物を全国に運んだというのが始まりです。その後、木材・育林事業に着手し、代々、徳島県で事業を営んできました。2002年に食料品販売・加工部門として創業したのが「徳島横井林業」で、その後「諸国美味」に社名変更し、現在に至ります。

最初に手掛けたオリジナル商品は、徳島県の特産品である柚子を使ったポン酢「柚子の舎」でした。その後、東京の百貨店の店舗で、味噌汁のイートインを始めたのが「美噌元」の原点です。

現在では、各店舗とECサイト等で、看板商品である「美噌汁最中」ほか、さまざまな味噌の関連商品を取り扱っています。

どんなお仕事をされていますか?

会社全体の管理はもちろんのこと、新商品の企画開発などにも積極的に携わっています。また、既存アイテムのブラッシュアップにも力を入れていて、店舗での商品のレイアウトやパッケージを変更するだけで、お客様の反応がまるで変わる、といったこともよくあります。

二子玉川店に併設されている「しじみSTAND」では、コーヒーや紅茶の代わりに一杯のお味噌汁を提供するなど、新しい営業形態にも挑戦しています。

味噌汁専門店の集大成!新商品「三麹八穀美噌」とは⁉

「三麹八穀美噌」は、発酵食生活を推進する「mikoku」ブランドの第一弾として、徳島県の「志まや味噌」と共同開発した味噌です。

3種の麹と8つの穀物(米・大豆・はだか麦・たかきび・もちきび・ひえ・あわ・黒豆)で味噌の旨味がアップし、プチプチもちもちとした食感をプラスしました。これまでさまざまな種類の味噌をブレンドしてきた味噌汁専門店の集大成として、自信を持って生み出した究極の合わせ味噌です。

手土産選びのスペシャリストも推奨「湯葉で包んだお味噌汁」とは⁉

「美噌元」の味噌汁を、比叡山延暦寺御用達の「比叡ゆば本舗ゆば八」の湯葉で巻いた一品。湯葉の中に味噌、だし、具材が入っていて、お湯を注ぐだけで風味豊かな味噌汁が完成します。

手土産選びのスペシャリストである秘書が目利きした「接待の手土産」で、2020年・2011年と2年連続「特選」に選ばれるなど、手土産として好評です。

味噌の思い出を教えてください。

母の実家は愛知県豊橋市にある酒蔵で、そこの麹を使って母が味噌を手づくりしていたのをよく覚えています。

私自身は神戸で生まれ育っているのですが、慣れ親しんできた味噌というと、東海エリアでよく食されている豆味噌です。特に、なめこ汁が子どもの頃からの大好物です。

読者に一言お願いします。

味噌とかつお出汁の香りで、不思議と心と体も和みます。そんな日常のホッとするひと時を大切にしたく、「美噌元」は誕生しました。私たちは、「日本の伝統産業である醸造文化を継承し、発展させ、日本を元気に」という考えを大切にしています。

味噌は、長く日本人が培ってきた宝で、大切な要素で溢れていると感じています。また、全国各地で脈々と続く味噌の文化は、実に多様でおもしろく奥の深いものです。ストレスフルな現代だからこそ、“日本人の心”とも言える味噌汁をもっと楽しんでもらいたいなと思います。

美噌元ECサイト

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