味噌汁の香りを逃がさずべし! 煮えばなで召し上がれ

味噌の味は、甘・辛(塩)・酸・苦・旨とさまざまな風味が複雑に絡み合い、絶妙な味わいを醸し出している。味噌の「噌」は、「かまびすしい」の意で、「がやがやうるさい=うるさいほど味が豊か」を表しており、味噌と「御塩噌蔵(おえんそぐら)※」にしか使われない特別な漢字だ。

味噌汁の場合、味噌とだしと具材のバランスが整った味噌汁が、おいしい味噌汁の条件といえるだろう。さらに、だしの引き方や具材の組み合わせ、入れる順番など、シンプルなようで奥が深い味噌汁だが、主役になるのは、なんといっても「味噌の香り」だ。味噌汁の香りは食欲を増すだけでなく、懐かしさを覚える人も多いのでは。

味噌の香りを最大限楽しむために、調理で気をつけたいのは「加熱条件」で、味噌は香りが飛びやすいので、煮たたせないこと。それが、「味噌汁は、煮えばなが大事」といわれる理由だ。

味噌の香り成分であるアルコールなどは、90℃以上になったときに最も強くなるが、そのまま加熱し続けると、せっかくのいい香りが抜けてしまうのだ。さらに加熱を続けると味噌汁の粘度も増していき、舌触りも悪くなってしまう。

温め直すと風味が落ちて塩辛くなってしまうため、やはり味噌汁は出来立てをいただくのがベストといえる。温め直す際の裏技は、少し水を加え、味噌や鰹節の粉などを加えるとよい香りが蘇るのでお試しを。

が、中には、グラグラ煮込んだ濃~い味噌汁が好き!という人もいる。味噌汁の楽しみ方は人それぞれで自由。そこが、ミソだ。

また、例外の味噌もあり、関西白味噌は煮込んでとろみが出ないとおいしくない。東海豆味噌は煮込んでも香りの変化が少なく、煮込むことでおいしさが増す。

さらに味噌の香りを楽しむという点では、お椀の蓋をすると香りが逃げないので、よりベター。保管の際には、味噌の表面にしっかりラップをして酸素に触れないようにすると、味噌のおいしい香りが長持ちする。

※伊達政宗がつくった日本初の味噌工場のこと。

株式会社ミソド代表取締役、一般社団法人みそまる普及委員会理事、「ジャパン味噌プレス」編集長、みそソムリエ。アパレル販売員、読者モデルを経て、2011年「ミソガール」として味噌の普及活動を開始。みそまる考案。ミラノ万博や伊勢志摩サミット等イベントやメディア出演を通し、味噌の魅力を伝えている(2019年MISODOに改名)。『みそまる』(宝島社)、『手軽に作れて、キレイに効く! みそまる』(主婦と生活社)等著書多数。※サイトに掲載している記事は取材当時の情報のため、現在と内容が変わっている可能性がございます。